買収される豊田自動織機の株主総会 過去最長の113分行われる 株主「TOB価格に異論はない」

トヨタグループによる「買収提案」と「株式の非公開化」を受け入れた豊田自動織機が高浜市内で株主総会を開きました。株主の理解は得られたのでしょうか。
記者:
「午前9時15分過ぎの豊田自動織機・高浜工場前です。このあと開かれる株主総会を前に、多くの株主たちが会場へと入っていきます」
高浜市内で開かれた豊田自動織機の株主総会。株主の注目はトヨタグループが実施する株式公開買い付け=TOBによる「買収受け入れ」と「株式の非公開化」です。

TOBは、トヨタ不動産が設立する新たな持ち株会社が実施する計画です。トヨタ不動産が約1800億円、トヨタ自動車の豊田章男会長が10億円を出資。さらに、トヨタ自動車も約7000億円を出資します。
TOBは、2025年12月上旬にも行われ、非公開化を含めたすべての手続きは2026年夏ごろに終える予定です。
株主の指摘「非公開化は株主をないがしろではないか」

6月10日の株主総会では、今回のTOBに関する質問が集中し、過去最長の113分間行われました。関心を集めたのは、TOBの価格です。TOBの受け入れを発表する直前の豊田自動織機の株価は1万8400円でした。一方、TOB価格は1万6300円と下回っています。価格の妥当性について、質問を受けた豊田自動織機の伊藤浩一社長は「独立した社外取締役をメンバーとする特別委員会を作り、検討した。本源的価値を十分に反映した価格と考えている」と応じました。
また、株主からは「非公開化はこれまで応援してきた株主への配慮が不足しているのではないか」という指摘もありました。これに対して伊藤社長は「株主をないがしろにしたわけではないが、総合的に勘案して判断した。(非公開化で)社会全体、日本全体を強くするという意味でみなさまに貢献できると思っている」と答えました。
「長く株を持っている人が多いので寂しい」

株主はどう感じたのでしょうか。
株主:
「長く(株を)持っている人が多いので寂しいという意見もあった。(TOB受け入れは)しょうがないのかなという気もする」
株主:
「(TOB価格は)相場からすると低いなと思ったが、相場自体がいろんな人たちの思いで上がっていただけで、そのこと(=TOB価格)については異論はない」
株主:
「グループ全体として世界で活躍できるような状態になっていくのが一番いいのかなと思います」