「土用の丑の日」で消費量が伸びるウナギ 注目を集める養殖の新技術 エサに混ぜると大きくて美味しい「かば焼き」が 愛知

ことしの夏の「土用の丑(うし)の日」は来月19日と31日です。ウナギの消費量が高まると予想される中で今、注目を集めている養殖の新技術を取材しました。
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きょう取材したのは愛知県高浜市の「ヤマヤ養魚」。養鰻池1区画に約2万匹、ハウス全体では8万匹ほどのウナギが大事に育てられていました。
(ヤマヤ養魚 糟谷禎 取締役)
「これで1匹250~300グラム。うちの出荷サイズです」
メスのほうがオスよりも身に厚みがあり、脂がのっていて美味しいと言われているウナギ。稚魚の段階では性別ははっきりしませんが、養殖では自然界とは違った生育環境が強いストレスとなって9割以上がオスになるとされています。
愛知県水産試験場などが確立させたのがエサに「あるもの」を配合することで、ほぼ全てのウナギがメスになるという新技術。
(ヤマヤ養魚 糟谷禎 取締役)
「これが噂の大豆イソフラボン。一定期間、投与することでメスに変わる」
飼料20キロに対して、この大豆イソフラボン80グラムを混ぜて与えます。
(ヤマヤ養魚 糟谷禎 取締役)
「『粉を入れるだけでメスウナギになるの?』って半信半疑だった。検査機関に検査してもらって9割くらいメスウナギになっていた。びっくり」
ウナギ1匹を2人で食べられて資源確保にも
ヤマヤ養魚が大豆イソフラボンを使ってウナギのメス化に取り組み始めたのは去年。それまで考えたこともなかったというメスウナギに特化した養殖法です。
(ヤマヤ養魚 糟谷禎 取締役)
「大きく育てたウナギを半分にして、1匹を2人で食べられる。資源確保にもなって良いこと尽くめ」
絶滅危惧種に指定される稚魚のシラスウナギの保護にもつながります。
ヤマヤ養魚では大豆イソフラボンを使って育てたウナギを「碧海うなぎ」のブランドで売り出し、来月には直売所もオープンする予定です。
(ヤマヤ養魚 糟谷禎 取締役)
「(Q:業界内でメスのウナギは どんな存在?)これからの希望ですね。跡継ぎ問題が出てきて、だんだん継がなくなっている。メスウナギを皆さんが たくさん食べてくれて、一定の相場が見込めるなら若い人も入ってくる。ウナギ業界が盛り上がってくれたら」