"結婚詐欺"で"社長と秘書役" マッチングアプリで出会った女性6人から計1億6000万円余りをだまし取った罪に問われる 男2人に求刑 秘書役の男が激白「毎日顔色をうかがっていた」 名古屋地裁

"結婚詐欺"で、6人の女性から1億6000万円余りをだまし取った罪に問われている2人の男。このうち、社長秘書役を演じた男が求刑を前に心境を口にしました。

LINE画面:
「心から出会ってくれてありがとう」「俺も世界一愛してる」
男から送られてきた甘い言葉のメッセージ。

そして、会うたびにくれるアクセサリーや豪華な花。すべて女性をだますためのものでした。
被害女性:「1300万渡して、結婚式場の予約もしていこうという話を最後にもう会ってないんですね」

女性に結婚を約束して信用させ、現金をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われている江尻舟一被告と、武田佑気被告。
起訴状などによりますと、マッチングアプリで出会った6人の女性から借り入れ名目で計1億6000万円余りをだまし取った罪に問われています。

女性の前に「社長」とその「秘書」として現れた2人。
手口として使っていた一つが、女性の前で“かばんをなくす演技”。
財布などが入っていたため、取引先に支払いができないなどとうそを言い、女性に一時的に現金を貸してほしいと頼むというものです。

恋人の窮地を助けたい一心でお金を渡し、だまし取られた女性たち。その被害者に対して今はどう思っているのか。
6月、記者との接見に応じた武田被告は…
武田佑気被告:「毎日被害者に申し訳ないと思っている」「できることなら詐欺をやる前に戻りたい」
江尻被告の秘書役を演じていた武田被告。江尻被告については…
武田佑気被告:
「どこからその自信が沸いてくるのかわからないけど、 自信がある人だった」「毎日顔色をうかがって怒られないように気をつけていた。もう二度と関わりたくない」

25日、名古屋地裁で開かれた裁判。
武田被告は、長かった髪を丸刈りにした姿で、江尻被告は、上下黒の長袖とズボン姿で、法廷に入りました。

被告人質問では…
検察側:「あなたは何人からお金を借りましたか?」
江尻舟一被告:「ちょっと思い出せないです」

また、仕事について聞かれると…
江尻舟一被告:
「ずっと女性と会って交際していたフリをしていた」
検察側は、「恋愛感情につけ込んだ卑劣な犯行」などと指摘し、江尻被告に懲役8年、武田被告に懲役7年を求刑しました。
一方、江尻被告の弁護側は、「借りた金を早期に弁済させるべき」などとして刑の減軽を求めました。
また、武田被告の弁護側は、「江尻被告に意見を言える立場になく、すべて江尻被告が指示をしていた」などと主張し、寛大な判決を求めました。

裁判を傍聴した被害者の一人は…
被害女性(40代):
「(江尻被告への求刑は)軽い。正直もうちょっと重くてもいいかなと思っている。許せないですし、本当に反省してほしいです」
判決は、8月27日に言い渡される予定です。