自衛官からホテル業界へ 名古屋を代表するラグジュアリーホテルへ異色の転身 “任期制自衛官”では初 「喜ばれるような仕事がしたい」

あすから始まるゴールデンウィーク!
楽しみな一方、旅するみなさんにとって、ホテルの宿泊料の値上がりは頭の痛い問題です。
そんな中、名古屋マリオットアソシアホテルでは、新たな風が…
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今月1日。ホテルの社長室で行われていたのは、中途採用社員の「辞令交付式」です。
(ジェイアール東海ホテルズ 伊藤彰彦 社長)「辞令、岩尾慎也。試用社員を命ずる」
ジェイアール東海ホテルズに中途入社し、名古屋マリオットアソシアホテルに配属された岩尾慎也さん24歳。“異色の経歴”の持ち主です。
先月、岩尾さんがトレーニングに励んでいた場所は…岐阜県各務原市にある「航空自衛隊岐阜基地」です。
(岩尾慎也さん)「私の父が陸上自衛官。東日本大震災などで活躍する姿を見たり経験談を聞いたりした。父のように強い精神力を鍛えたいと思い自衛隊に入隊した」
岩尾さんは、航空機の部品管理などを担当する“自衛官”でした。5年前、「任期制自衛官」として入隊しました。
「任期制自衛官」任期を終え…夢の宿泊業へ
「任期制自衛官」は「自衛官候補生」として3か月の教育を受けた後、航空自衛隊の場合は、約3年の任期が終わった段階で、引き続き自衛官として勤務するか、やめて民間企業に就職するかなど選択します。
自衛隊には毎年、約7000人が任期制自衛官として入隊しているということです。
岩尾さんは自衛官時代も忘れることがなかった夢がもうひとつありました。
(岩尾慎也さん)「祖父が旅館をしていたので、お客さまと笑顔でコミュニケーションを取っているところを見て、私もお客さまに喜ばれるような仕事がしたいと思い宿泊業を選んだ」
岩尾さんの夢は次第に大きくなり、ホテル側の「よりよい人材を確保したい」という意向とマッチ。任期制自衛官としては初めて、名古屋マリオットアソシアホテルを運営するジェイアール東海ホテルズに就職することになりました。
これまで岩尾さんに目をかけてきた上司は…
「大きな戦力として期待」
(岩尾さんの上司 1等空佐 若林友和さん)「外に出しても恥ずかしくない人材なので、『ホテル業界でも活躍してほしい』というのが正直な気持ち」
ジェイアール東海ホテルズでは、前年度の中途採用はコロナ前の2018年度に比べ倍増。コロナ禍で採用人数が落ち込んだからです。岩尾さん採用の理由は何が決め手になったのでしょう?
(ジェイアール東海ホテルズ 伊藤彰彦 社長)「自衛官の方は組織やチームの大切さ、自分の能力や訓練による練度を上げるなど、そのようなことの大切さも大変よく認識されていると思う。そこもホテルに従事する人間にとって、重要な資質ではないかと思う」
そして、ジェイアール東海ホテルズなどのグループは今後、京都や奈良で新たなホテルの開業が控えていることも岩尾さん採用の背景に…
(ジェイアール東海ホテルズ 伊藤彰彦 社長)「大きな戦力になっていただけたらと期待している」
先月、惜しまれながら退職した岩尾さん。名古屋を代表するラグジュアリーホテルの社員としての新たな歩みが始まりました!