
フィギュア日本男子の“絶対的エース”鍵山優真 コーチの父と目指す世界一、二人三脚で歩んできた絆に迫る

21日から始まるフィギュアスケートグランプリシリーズフィンランド大会に出場する
鍵山優真選手。3歳から父と二人三脚で歩んだきた親子の絆に迫ります。

5月。名古屋市北区にあるIGアリーナの開業式典に登場したのは、中京大学を拠点に活動するフィギュアスケーター、鍵山優真選手、22歳。
12月、この会場で開催されるのが、世界一決定戦・グランプリファイナル。ミラノ・コルティナオリンピックの前哨戦となる大事な大会です。
「この景色を見渡すだけで鳥肌が立つくらい。ここで滑りたいと思うほど、すごくワクワクしているので」(中京大学 鍵山優真選手)
地元・愛知開催のファイナルを目指す、日本男子の絶対的エース。
支えているのは、コーチを務める父・正和さん。
2大会連続オリンピック出場の経験を持つ、名古屋市出身のレジェンドです。
今から38年前には、メ~テレの番組に生出演。柔らかいスケーティングを披露しました。
その父の背中を追いかけるように、3歳でスケートを始めた鍵山選手。
「お父さんに『やってみないか』と言われて、滑って楽しかったから続けている。お父さんにはたまに怒られちゃう」(当時13歳の鍵山選手)
Q.お父さんみたいなになりたい?
「なりたいです。世界中の誰よりも強くなって、オリンピックの舞台で活躍できたらいいなって思っています」(当時13歳の鍵山選手)
「父がいてくれて本当に良かった。ありがたい」

そんな父が大切にしてきたのが、基礎練習です。
中でも氷の上の図形をなぞるように滑るコンパルソリーを積み重ねてきました。
「ジャンプやスピンにも、つながってくるとは思っているので、トップであればあるほどやっていかなければいけない技術」(父・正和コーチ)
時に厳しく指導。
「目的意識を持って練習しなさい。すごく中途半端、練習の仕方が」(父・正和コーチ)
「時には厳しい言葉を投げかけなければいけない。親としては、つらいところもある。彼の夢をかなえていくためには、甘えてばかりではいけない。俺も腹くくらなければいけない」(父・正和コーチ)
「技術的なことは調整できても、メンタル調整が自分だけでは難しい。父がいてくれて本当に良かった。ありがたいなと思います」(鍵山選手)
たくましく成長した息子は、父と同じオリンピックの舞台へ。
2022年の北京オリンピックで、日本フィギュア界最年少となる18歳で銀メダルを獲得しました。
ミラノ五輪の金メダルへ試練

二十歳となったある日。
「今までは20歳が成人だったけど、とっくに成人だから解禁されるものが少ない」(鍵山選手)
「親としては20歳は区切りですよね」(父・正和コーチ)
「もう『10代のときは』って言えるのがつらい。20歳だから『10代の時は』と思い出を振り返る」(鍵山選手)
「何をおっさんみたいな事言ってるんだよ」(父・正和コーチ)
次は、ミラノ・コルティナオリンピックで金メダル。
「4回転ジャンプをもっと増やして、力をつけていきたいと思います」(鍵山選手)
「4回転ジャンプを増やすのは、必須だと思います」(父・正和コーチ)
新しい4回転ジャンプの習得にはげみました。
昨シーズン。4回転の種類を増やした自己最高難度のプログラムに挑戦。
ところが、北京以降、新たに増やした4回転フリップにつまづくと、立て続けに他のジャンプも失敗し、今までにないほどの大崩れ。シーズンを通して調子は上がりませんでした。
鍵山親子を救った出来事

親子二人三脚で歩む日本男子のエースは、昨シーズン、自己最高難度のジャンプ構成に苦しむ日々が続きました。
「勝ちたいと思いすぎた。自分と向き合うことができなくなってしまって、そこが試合にも表れることが多かった」(鍵山選手)
「プレッシャーを与えすぎたのかなというところがありました」(父・正和コーチ)
転機が訪れたのは、今年の春。シーズン終了後の出来事。
「スケート以外で旅行したことがない。優真に『どう?』と聞いたら『行く』」(父・正和さん)
親子2人水入らずで初の旅行。リンクを離れて過ごしたかけがえのない時間に。
「楽しかった。スケートの話はしない。牧場で動物と触れ合って、ソフトクリームも食べて満喫してきました」(父・正和さん)
地元・愛知で開催のGPファイナル進出へ

初心に帰れたという父・正和さんは、スケートでも原点回帰。息子の持ち味を再認識します。
「誰にもできないものを持っています。スケーティング技術の高さ」(父・正和コーチ)
「シーズン終わった時に父と何回も話しあって、理想のスケーター像や、目標をしっかりと話し合って、そこに対して、どう練習してどう過ごしていくかを考えている。今は良い関係性で、毎日ストレスなく練習できているかなと思う」(鍵山選手)
親子の絆を深め、迎えた今シーズンのグランプリシリーズ初戦。
持ち味の美しい滑りを披露。演技構成点のスケーティングスキルは、ただひとり9点台をマークし優勝。
次は、21日のフィンランド大会。地元・愛知で開かれるオリンピック前、最後の世界一決定戦、グランプリファイナルを狙います。
「父は地元で試合ができることがうれしいんじゃないかなと思うので、GPファイナルの舞台に連れていけるように、良いパフォーマンスをして、表彰台に乗っている姿を見せたい」(鍵山選手)
(2025年11月20日放送 メ~テレ『ドデスカ+』「じもスポ!」コーナーより)





