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悪質なカスハラ“実名”公表　全国初の“制裁措置”を盛り込んだ条例で注目の三重･桑名市　初のカスハラ行為認定

06.30(月)19:28

三重県桑名市が全国で初めて制定した、カスハラをした人の名前を市が公表するという条例。ことし4月の施行後初めて「カスハラ」行為が認定されました。

（中道陸平記者）「桑名市役所です。あちらには、『カスタマーハラスメント』の相談窓口が設置されています」

この相談窓口は、ことし4月に施行された条例に基づき設置され、客や取引先からの迷惑行為、いわゆるカスハラについて相談することができます。

去年12月に桑名市議会で可決されたこの条例、全国で初めて「ある」制裁措置を盛り込んだことで一躍注目されることに…

条例では、カスハラを受けた市民が市に相談すると、有識者らで作る対策委員会がカスハラを行ったとされる人に聞き取りなどの調査を行います。そのうえで、悪質なカスハラに該当すると判断されればまず本人に警告を行います。

しかし、それでも改善が見られないような場合には、市のホームページなどでカスハラを行った人の名前を公表することができる、と定めています。

｢配送を巡るトラブル｣はカスハラか？

そしてきょう、動きがありました。

（カスハラ対策委員会森川仁委員長）「カスハラに該当すると判断しました」

きょう伊藤徳宇市長に報告されたのは、商品の配送を巡るトラブルについての事案です。

相談者の業者に商品を預ける際、商品が破損したことに腹を立てた当事者が相談者に対し、弁償以上の過剰な要求をしたことなどがカスハラにあたるかが審議されていました。

（伊藤徳宇市長）「答申した内容を十分に尊重して、しっかりと判断したいと思います」

報告書を受け取ってから約2時間後。市長が下した判断は…？

（伊藤徳宇市長）「桑名市として初めてのカスハラ認定を、先ほどさせていただいた」

要求内容に妥当性がないなどとする対策委員会の報告を受け、市長はカスハラと判断し、市のホームページには事案の概要として、実際の発言などを掲載しました。

また市は、当事者に対し同じような行為を繰り返さないよう求める警告書を送付。そのうえでカスハラ行為が再び繰り返されるのであれば、氏名を公表するとしています。

（伊藤徳宇市長）「（カスハラの）認定ができて、相談者に報告できたのがひとつのポイント。（今後も）カスハラのない社会につながるよう、しっかり取り組んでいく」

全国初の制裁措置を盛り込んだこの条例。市内で接客業を営む人は…

（飲食店従業員）「土下座の要求があれば、さすがに連絡してもいいのかなと思う」
（ホテル従業員）「この番号にかけたら24時間365日、対応してもらえるなら利用するかも」

伊藤市長は「気軽に相談窓口を活用してほしい」と話しています。