
河川の砂地が“アリ地獄に”?川に潜む危険性 川遊びは「ひざ下まで」「背浮き」が重要

28日、愛知県豊田市で、バーベキューに来ていた20代の男性が川に流され、死亡しました。現場を取材すると川にある特徴が見えてきました。

警察によりますと28日午後3時半ごろ、豊田市月原町の矢作川で「友人が溺れて姿が見えなくなった」と、119番通報がありました。
約2時間後に川底から男性が発見されましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。
友人2人と河原でバーベキューをしていた際に、水遊びをしようと川に入り溺れたとみられています。
この川を管理する事務所の職員によると、この場所はバーベキューなどが自由にできるエリア。
周辺地域でも、河原でバーベキューをする人は少なくないといいます。
「バーベキューする方は、県内各地や県外からも来る。比較的外国人が多くいて、集まってバーベキューする文化の国の人もいる。溺れるということは過去にもあった」(愛知県 豊田加茂建設事務所 松岡孝嗣管理課長)
河川の砂地が“アリ地獄”に?

実際に現場を訪れると、矢作川は足元の砂地が多いという特徴が見えてきました。
河川の砂地。その危険性について、水難事故に詳しい専門家は、「アリ地獄」に例えて説明します。
「矢作川は結構砂のたまる川。砂地の岸が多い。砂のたまっているところは、急に深くなっている。1回落ちてしまうと、Uターンしようと思っても砂が崩れて、“アリ地獄”みたいな感じで戻れなくなる」(水難学会 斎藤秀俊理事)
警察庁によると、去年1年間に発生した水難事故は1535件にのぼり、過去10年で最も多くなっています。
川遊びで心がけてほしいこと

7月から本格化するレジャーシーズンで、川遊びで心がけてほしいのは、「ひざ下までの水深で遊ぶ」こと。
「川に慣れていないと、ライフジャケット着たまま、すぐに岸に戻ろうと思っても戻れない。ひざ下までの水深で、ここまででおさえて遊ぶことが1番重要」(斎藤理事)
万が一溺れそうになったときの対処法は?
「流された人はすぐ背浮き。背中を下にして顔は空を見上げる。靴やサンダルは浮き具になるので脱がない。服の中に空気がたまるので脱がない」(斎藤理事)
おぼれた人を見かけたときは――
「周りの人は『浮いてまて』と叫んで119番通報をする。空のペットボトルを投げて渡すようにする。川に遊びに行くときは、いつも水難事故がおきやすいと考える」(斎藤理事)