名古屋・栄のホテル殺人事件 逮捕の女「怖かった」と母親に… 「美人局」指示役・実行役に金銭トラブルか

名古屋市中区栄のホテルで起きた強盗殺人事件。19歳の女は逮捕前、母親に犯行当時の状況を打ち明けていました。
「なんて馬鹿なことをしたんだとしか思いつかなくて。相手の家族には『申し訳ありませんでした』という言葉しかなくて」(19歳の女の母親)
こう語るのは、強盗殺人の疑いで逮捕・送検された19歳の女の母親です。犯行当日、夕方ごろに帰宅したという女。普段とは様子が違って見えたといいます。
「落ち着きがなかったですかね、普段と比べれば。毎日顔を合わせているので違和感はあった」(19歳の女の母親)
事件から1週間が過ぎ、全容が少しずつ明らかになってきました。
6月7日午後、中区栄のホテルの一室で春日井市の会社員の男性(32)がベッドの上で亡くなっているのが見つかりました。男性の死因は、首を絞められたことによる窒息死でした。
その後、警察は事件に関与したとして19歳の無職の女を強盗殺人の疑いで逮捕・送検しました。
女は事件発覚から3日後、現場近くの交番に出頭。その後、逮捕されました。
女は逮捕される前、母親に事件当時のことを打ち明けていたといいます。
「本人は怖くて現場の方を見られなくて、壁の方を向いて怖かったとしか言わなくて」(19歳の女の母親)
中学時代の加藤容疑者を知る人が証言

この女とともに男性を殺害し、腕時計をなどを奪ったとして逮捕・送検されたのが名古屋市中川区の無職、加藤伶音容疑者(20)。
関係者によると、加藤容疑者は福井県出身で、中学時代は柔道部に所属。県大会でも上位の成績を残すほどの腕前だったといいます。
その後高校を中退し、職を転々とした後、「ラッパーになる」と言って、名古屋に移り住んだとみられています。
「気に食わないことがあると手が出ちゃう感じの子。嘘ついたりして(先生に)怒られて手が出てしまう」(加藤容疑者の中学時代を知る人)
「先生に悪態をついたり、学校のものを壊すようなこともあったような気がする。破天荒なイメージ」(加藤容疑者の中学時代を知る人)
捜査関係者によると、事件当日の午前1時ごろ、逮捕された女と被害者の男性が2人でホテルに入室した後、間もなくして同じ部屋に加藤容疑者が入っていく姿が防犯カメラに映っていました。
その15分後、部屋から出てきたのは女と加藤容疑者のみ。わずか10分余りで犯行が行われたとみられてます。
加藤容疑者と波多野容疑者の間に金銭トラブルか

警察は2人のほかに、恐喝の疑いで愛知県春日井市の職業不詳、波多野佑哉容疑者(23)を逮捕しました。
「誰々とけんかをした、殴り合いをしたという話を何度か聞いた。けんか腰という感じの性格ではありました」(波多野容疑者を知る人)
昔から素行が悪く、トラブルが絶えなかったという波多野容疑者。現場のホテルに波多野容疑者の姿は確認されていませんが、事件の数日前、波多野容疑者が知人である女と加藤容疑者を引き合わせ、2人に「美人局」を指示していたとみられています。
警察は3人の認否を明らかにしていませんが、捜査関係者への取材で、加藤容疑者と波多野容疑者の間には金銭トラブルがあったとみられることがわかりました。
また、女は報酬が目的で「美人局」に加担したとみられています。
「育て方を間違えたかもしれない」と悔やむ女の母親。被害者の家族のためにも事件の真相解明を望んでいます。
「どれだけのことをしたのか自分でわからないといけない。自分の置かれた立場を考えて、自分で正直に話してほしい」(19歳の女の母親)