
愛知の中山間地で雪による大規模停電が続き断水…市の担当者「異例の事態」 復旧長期化の理由

雪による停電が愛知と岐阜で続いている。18日夜遅くから起きた停電は19日昼頃のピーク時には約1万軒となり、順次復旧しているものの20日正午時点でも約2000軒が停電している。
■深夜の停電

中部電力パワーグリッドのHPによると18日深夜以降で停電が生じたのは、愛知県の豊田市、岡崎市、新城市、設楽町、豊根村、東栄町、岐阜県の中津川市、恵那市、高山市のそれぞれ一部地域。
停電の理由について「調査中」の地域もあるが、多くが「雪害」と記されている。停電のピークは19日午前11時ごろで、愛知県で約9700軒、岐阜県で約750軒だった。
同社は順次、復旧を進めているが20日午前7時現在で約3110軒(愛知・約3010軒、岐阜・約100軒)で停電していた。
■断水
東海地方は18日夜から19日朝にかけて標高の高いところで湿った雪が降り、愛知県の東三河山間部や岐阜県の東濃エリアでは10cmから20cm前後のまとまった雪が積もった。この雪による倒木で岐阜県恵那市の明知鉄道は19日午前、運行に支障が出た。
ピーク時に6000軒以上が停電した豊田市は19日、公民館や温泉などの公共施設計27カ所を臨時休館した。東部・北部地域といった中山間地域で影響が出ている。停電に伴い一部の水道施設が停止し、豊田市は「断水の可能性がある」として足助・下山・稲武・小原・旭の4地区の約1060世帯を対象に20日早朝から応急給水を実施した。
市の担当者は「これだけ長時間停電した事例があまりなく、異例の事態。広い地域と長時間にわたることから市の上下水道局内では非常態勢を敷いて対応している」と話す。
■復旧阻む原因
中部電力パワーグリッドによると、倒木が電線に引っかかるなど複数の場所で電線や電柱の異常を検知しているという。
広範囲にわたって長期化した理由について、同社の担当者は「平時に起きる局所的な停電と異なり、自然災害の際には複数の要因が重なることがあるため、停電の全体像の把握と原因の特定に時間を要する」と話す。災害時と同様の態勢で対応に当たっているといい、同社は「早期復旧に最大限務める」とコメントしている。
(メ~テレ報道情報局 水野健太)