クマ被害続く中、もみじ狩りの注意点は? 冬眠はいつ? 専門家「年末には冬眠する」「複数人で行動を」

この時期に楽しむ人が多い「もみじ狩り」。でも場所によってはクマに遭遇する可能性も…。クマの生態に詳しい岐阜大学応用生物科学部の淺野玄・准教授に話を聞きました。
まずは冬を前にした今、「クマの冬眠」について尋ねました。
「冬眠しないクマはほとんどいない。冬眠する理由は、食べられる餌が少なくなって、その間を寝て過ごす。雪が降って餌がなくなると、動き回って餌を求めるのはエネルギーのロスになる。基本的には冬眠すると考えていい」(淺野准教授)
動物園のクマは、餌が毎日のようにもらえるため、冬に寝てエネルギーの消費を抑える必要がないので冬眠しません。
しかし野生のクマは冬の間、食べ物がなくなってしまうので冬眠をします。
「冬眠に入るまでに十分な餌が食べられなかったクマは、餓死して生存競争に負ける。『冬眠しないクマがいる』というのは過剰な反応かと思う。ただ人里に近いところで遅くまで柿が残っている場所では、山で餌が食べられなかったクマが執着する可能性がある。冬眠に入るまで行動が長引くクマはいるかもしれないが、ごくわずかだと思う」(淺野准教授)
東海地方のクマ「12月末までには冬眠する」

淺野准教授によりますと、今年の東海3県は餌となるドングリが東北と比べ多いとのことで、東海地方に生息しているクマは12月末までには冬眠するといいます。
「もみじ狩り」の際、冬眠前のクマへの対策について聞きました。
「クマの出没情報は自治体がリアルタイムで公表しているので、紅葉狩りの先でそういう情報が出ていないか、情報収集を積極的にしてほしい。万一クマに襲われた時に、複数人だと対応しやすいし、複数の方がクマに対して『ここに人がいる』とアピールしやすいので、複数人で行動することを勧めている」(淺野 准教授)
そのほか、目撃や被害が多い朝や夕方を避け、クマよけの鈴、クマ撃退スプレーなど、十分な準備をしてから出かけてほしいと話します。





