「国民・玉木さんは閣僚ポスト狙っているわけではない」自民・高市総裁誕生で連立の構図どうなる

10月4日、自民党初の女性総裁が誕生しました。誕生の裏側には、他陣営からの直前の票の引きはがしがありました。
司会者:
「高市早苗くんをもって当選者と決しました」
10月4日の自民党総裁選挙で総裁に選ばれた高市早苗前経済安全保障担当大臣。自民党初の女性総裁です。高市新総裁は1回目の投票で183票を獲得。その後の小泉進次郎農林水産大臣との決選投票でも185票を獲得しました。
事前の報道では小泉大臣のリードが伝えられていた中での「逆転勝利」。その裏側には一体何があったのでしょうか。
総裁決定の約6時間後。愛知県新城市で支援者の元を訪れたのは、今枝宗一郎衆議院議員。高市新総裁の推薦人の1人です。
今枝議員:
「国会議員票が(小泉氏に)勝った」
支援者:
「石破さんのときは(国会議員票で)逆に負けた」
今枝議員:
「そう。あれは物議をかもしたが、今回は民意がまさに反映されて、勝たせていただいたもんですから」
今枝議員は勝利の「カギ」となった作戦があったといいます。
今枝議員:
「(選挙直前に)各都道府県の開票状況の情報を集めて、高市さんがトップだとわかれば、県選出の議員に「民意に近い党員投票(の結果)で決めていただくのが筋ではないか」という話をさせていただいて。高市さんを推そうと思った人が多く、議員票も多くなったと思っているので非常に意味があった」
また愛知のもうひとりの推薦人、工藤彰三議員は、他陣営の議員から直前まで「迷い」を感じ取っていました。
工藤議員:
「声掛けしているときに迷っているんだという人はだいぶいた感じがしますね。地域の人から『その候補者じゃ推せない』と言われている人もいたのでは。若い(小泉)進次郎さんもいいけれど、危機を打破するためには岩盤保守と、初の女性総裁を出したいので力を貸してということは訴えてきた」

高市新総裁の誕生に街の人は。
30代男性:
「トップというと男性のイメージが強いので、社会で女性が活躍できる世の中になったり、女性らしい考え方を期待している」
20代女性:
「主婦世代の目線になって物事を見てもらえたらと思う」
30代女性:
「外国人問題の発言とかをしているので、そこは変わるのではないか」
一方で、こんな声も。
30代女性:
「正直あまり変わらないのかな、自民党だけで変わられてもみたいなところは正直ある」
50代男性:
「あまり期待していない。(高市さんの)後ろに誰かいるんでしょ。そこが終わらないと変わらないのではないか」

高市新総裁は10月中に開かれる予定の臨時国会で、総理に選ばれる公算が大きくなっています。安定した政権運営のための連立拡大の行方について、長年、政治取材を続ける日本経済新聞ニュースエディターの吉野直也さんに聞きました。
吉野さん:
「おそらくキーパーソンになるとみられているのは麻生太郎さん。自民党副総裁への就任が現時点で有力視されている。それと、決選投票で高市さんを支援したとみられている茂木さん。幹事長時代に国民民主党との連携を強化してきた経緯がある。総裁選のさなかに日本維新の会は自民党から打診があれば前向きに協議したいと言っていた。この2つの政党が連立協議では選択肢」
一方で次の選挙をにらんだ考え方も。
吉野さん:
「国民民主党は次の衆院選で、議席の大幅増を考えている。やはり与党として選挙するよりも、野党として選挙する方が議席増につながりえるのではないかという見方の方が現時点では多い。もし閣僚ポストの話があっても、玉木さんは別に閣僚のポストを狙っているわけではないとみられている」
また、与党・公明党との丁寧な話し合いも必要だといいます。
吉野さん:
「靖国参拝の問題や外交でいうと、中国との距離の取り方。自民党と公明党が協議をする中でいくつかポイントとして出てくると思う。茂木さんが幹事長時代に、多少ぎくしゃくしたという見方もある。国民民主党と連携を模索した経緯もそうですし、政策として憲法改正を掲げていた。(公明党は)与党にとどまるという見通しが大勢だが、その中での条件闘争に入っているのかな」