
ペルー国籍の男(34)が1人で警察に出頭 容疑者を知る関係者「普通の人、悪いこともなく」 新名神逆走

三重県の新名神高速で車が逆走し、ペルー国籍の男が逮捕された事件、車は四日市市で見つかりました。
画面奥から追い越し車線を逆走する青色の車。そのスピードは、同じ方向に走るトラックをゆうに上回っています。
その後もスピードを一切落とすことなく逆走を続けます。道を空けるのは、正しい車線を走る車です。
いつ正面衝突してもおかしくない、危険な逆走劇が繰り広げられました。
この直前に撮影されたドライブレコーダーの映像です。前の車が徐々にスピードを落としたため、運転手が異変を察知した瞬間。
「逆走、逆走!あっ、ぶつかった!」(ドライバー)
逆走で6台が絡む事故も

18日、東海地方と関西を結ぶ大動脈「新名神高速」の下り線で車が逆走。
避けようとして止まった車にトラックが追突するなど合わせて6台が絡む事故が起き、4人がけがをしました。
現場に残された車は、ボンネットが大破したり車体がへこんだりと、衝撃の大きさがうかがえます。
映像には、事故のきっかけとなった青い逆走車が白い車にぶつかりながらも間をすり抜けて現場から走り去ろうとする様子が捉えられていました。
事故の直後に撮影されたとみられる映像にも、スピードを緩めることなく、追い越し車線を逆走する姿が確認できます。
逆走から約35時間後に逮捕・送検

ドライバーを恐怖に陥れた逆走から約35時間後。逆走車を運転していたとして、男が逮捕・送検されました。
道路交通法違反の疑いで20日送検されたのは、ペルー国籍で滋賀県長浜市の会社員、ロッシ・クルーズ・ジョン・エリアス容疑者(34)です。
警察によりますと、エリアス容疑者は、新名神高速で逆走し、乗用車2台に衝突したにもかかわらずそのまま逃げた疑いがもたれています。
エリアス容疑者が乗っていた青い車の左側面には、衝突した白い車の塗料でしょうか、白い傷などがはっきりと確認できます。
「近くに住む人によりますと、エリアス容疑者が乗っていたと見られる車は、公園の前に止まっていて、午後には警察が調べに来ていたということです」(記者)
容疑者を知る関係者「普通の人、悪いこともなく」

この車は、現場から20km余り離れた三重県四日市市内で見つかりました。
「昨日の朝10時ごろ散歩していたら群馬ナンバーの青い車が止まっていた。群馬ナンバーで誰かこの辺の親戚の家に来ているかと思った」(車を目撃した人)
捜査関係者によりますと、エリアス容疑者は、19日朝になって1人で滋賀県長浜警察署に出頭。歩いてきたとみられ、三重県警に身柄が引き渡されたということです。
「(容疑者は)普通の人ですね、悪いこともなく。現場仕事をしているようで全国を転々としていた」(容疑者を知る関係者)
10km以上にわたって逆走か

エリアス容疑者は警察の調べに対して、「一台にしかぶつかっていない」と容疑を一部否認している一方で、逆走した事実は認めているということです。
そもそもこの青色の車は、どこから逆走を始めたのでしょうか。
事故現場からそのまま関西方面へと進むと「鈴鹿トンネル」があり、トンネルを抜けると、滋賀県の「甲賀土山IC」が見えてきます。
ネクスコ中日本によりますと、甲賀土山インターチェンジ付近では逆走車の目撃情報はなく、この周辺で逆走が始まった可能性は低いとみられます。
一方、警察によりますと、鈴鹿トンネルの滋賀県側で逆走する車を確認しているということです。
これまでの情報を整理すると、「鈴鹿トンネル」を抜けてから「甲賀土山IC」までの本線上でUターン、逆走を始めた可能性があり、目撃情報が途絶える鈴鹿パーキングエリアまで10km以上にわたって逆走を続けたことになります。
エリアス容疑者が乗っていた青い車は県外のナンバーで、容疑者以外にも同乗者がいたということです。
警察は関係者からも事情を聴き、逆走に至った経緯などを詳しく調べています。