この時期注意「ゲリラ雷雨」予測の最前線 ウェザーニューズに潜入「全国で2か月の間に6万回以上発生」

短時間の間に局所的な大雨や雷雨を引き起こすゲリラ雷雨。
【写真を見る】この時期注意「ゲリラ雷雨」予測の最前線 ウェザーニューズに潜入「全国で2か月の間に6万回以上発生」
(松本道弥アナウンサー 9月19日)
「千葉県千葉市にやってきました。東海地方を含め、全国各地でこの夏、ゲリラ雷雨が起きました。そのゲリラ雷雨の予測の最前線を調査していきます」
こちらは、民間気象情報会社のウェザーニューズ。日本に本社を置き、世界21か国で気象に関するサービスを展開しています。
(松本)
「すごい。今放送されているんですか、スタジオがありますよね」
(ウェザーニューズ広報 江川清音さん)
「24時間365日生放送している『ウェザーニュースLiVE』です」
(松本)
「開放的な場所にスタジオがポンと置かれているんですね」
こちらで収録された番組は、スマホのアプリやYouTubeで24時間休むことなく無料で配信されています。
そしてこれらの情報源をまとめているいわばウェザーニューズの心臓部がオフィスの一角に。
(江川さん)
「スタジオのすぐ隣が予報センターで、こちらで天気予報を作成しています」
7月~8月の2か月で発生したゲリラ雷雨は6万985回
東海3県など、全国各地の天気予報を行う予報センター。中でも、ゲリラ雷雨が増える7月から9月は「ゲリラ雷雨予測本部」を立ち上げ、監視体制を強化しています。
(松本)
「ゲリラ雷雨というのは、ことし数は多いんですか?」
(ゲリラ雷雨アラーム担当 奥村咲良気象予報士)
「7月から8月までの2か月間では、6万回以上発生しているような状況です」
ことし7月から8月の2か月で全国で発生したゲリラ雷雨の数は。6万985回。1日あたり、約1000回も発生している計算です。
そもそもゲリラ雷雨が発生する仕組みは、上空に冷たい空気が流れ込むと、地上付近の暖かく湿った空気が上昇気流になりやすく、大気の状態が不安定になって、短時間で巨大な積乱雲に発達するため。結果、局地的に大雨を降らせます。
(奥村さん)
Q日本地図に色が付いているところは何を示す?
「アプリの利用者にゲリラ雷雨が発生している、あるいは発生しそうというところに対して、そこに住んでいる人に警戒を呼びかけるようなシステムになっています」
Q画面の色が黄色とかオレンジ、青になっているのは?
「オレンジの所はそろそろゲリラ雷雨が発生するかもしれないという警戒を呼びかけるエリア。黄色いところはちょっと怪しそうな雲が出ていたり、大気の状態があまり良くないところに、いろいろな写真などを送ってもらえるように監視体制強化という名目で呼びかけています」
(松本)「きょうは9月19日金曜日の昼1時ですけれど、この地図を見ると愛知、岐阜の広い範囲で注意警戒状態ですか」
(奥村さん)「その通りです」
全国のアプリ利用者による情報も大きな力に
天気を予報するにあたっては気象庁のデータや、全国に設置された独自の観測機の他に、今では利用者のある協力も欠かせない情報となっています。
(奥村さん)
「ユーザーさんからのリポートもそうですし、あとはソラカメという全国に約2600台ほどの小型のライブカメラがあります」
ソラカメとは、アプリの利用者が各自で設置しているライブカメラ。全国に約2600か所あり、リアルタイムで変わる空の様子をとらえています。
(奥村さん)
Qゲリラ雷雨予測の精度は?
「去年の段階で東京、名古屋、大阪で捕捉率が9割を超えています」
Q実際に起こったゲリラ雷雨の9割ほどは予測できていたということになる?
「そういうことになります」
三重県四日市市の記録的な大雨の予測はどうだった?
ちなみに9月12日に三重県四日市市で起きた記録的な大雨。地下駐車場が水に浸かりましたが、事前に予測できていたのでしょうか。
(奥村さん)
「12日の朝9時の時点での予測モデルですが、(当日の)夜の10時、雨がどれぐらい降るポテンシャルがあるかというようなものを示す図なんですが…」
オレンジのエリアは、1時間に70ミリほどの非常に激しい雨が降る可能性のある地域。確かに四日市市付近でその可能性はあったようです。
(奥村さん)
Q(四日市付近は)大雨になる可能性があった?
「そうですね。80ミリから100ミリのポテンシャルはあったかなと思います」
(松本)「予測できていたんですね」
このようなゲリラ雷雨予測本部の情報は、アプリ内のプッシュ通知を通じて利用者に知らされる仕組みになっています。
(江川さん)
「36時間先までの1時間ごとのゲリラ雷雨のリスクをここでみることができます。紫色は危険な部分です」
Q青空が見えていたとしても、赤・紫になっているところは要注意?
「そうですね、気をつけてほしいです」
この時期、注意したいゲリラ雷雨。被害を減らすための気象予測技術は日々進化しています。