津波被害や原因不明の“大量死”乗り越え…ことしのカキは“希望が持てる”「新鮮でおいしいカキを食べに来て」 三重・鳥羽市

三重県鳥羽市浦村町。先月、カキの養殖いかだが流される被害が。
【写真を見る】津波被害や原因不明の“大量死”乗り越え…ことしのカキは“希望が持てる”「新鮮でおいしいカキを食べに来て」 三重・鳥羽市
先月30日、ロシアのカムチャツカ半島沖で発生した地震で、鳥羽市では最大40センチの津波を観測。この影響で浦村地区、約2000台のカキの養殖いかだのうち372台が流されたり、海底といかだをつなぐロープが絡まったりする被害が出ました。
このため、漁業関係者らは復旧作業を懸命に行ってきました。
中でも湾の奥に設置していたいかだの被害が深刻だったと聞き、きょう行ってみると…
復旧作業が進み、いかだが元に並べられていました。
これらのいかだでは、主に来年の出荷に向け秋からかきを仕込む予定でした。
(浦村シーファーム 浅尾大輔さん)
「共同作業の復興が終わっただけで、個人のやるべきことは数多くある」
鳥羽市はこれまで2011年の東日本大震災や、2022年のトンガの海底火山大規模噴火で発生した津波で、養殖いかだが大きな被害を受けました。
そして今回は、不幸中の幸い…ことしのシーズンに向けての被害は、最低限にとどまったと言います。
数年続いた原因不明の“大量死” ことしは?
さきほどの場所から2キロほど離れたポイントに向かって移動し、取材を進めると…
ここのいかだでは、ことし10月初旬に出荷予定のかきを育てていたそうですが…
(浅尾さん)
「これは出荷できるサイズ。この数年では考えられない」
実は、浦村カキはここ数年、原因不明の大量死が発生。いかだによっては去年はシーズンに仕込んだ9割のカキが死に、頭をかかえた関係者も。しかし、ことしはいまの段階で…
(浅尾さん)
「死んだカキが少なかった。ことしはひどくて2~3割のカキが死んでいる。想定内のこと」
ことしは、ここ数年の不漁から一転、希望が持てると言います。
(浅尾さん)
「津波の被害はあったが、みんな前向き。新鮮でおいしいカキを食べに来てもらえたら」
リアス式海岸の恩恵を受けた栄養分たっぷりの海水で育つカキ。自然は時に牙をむきますが、漁業関係者らは全てを受入れ懸命に汗を流していました。