名古屋にも活断層?「M7超の地震発生の可能性も」南北10キロほどの長さで存在か 国の詳細調査は行われず
巨大地震を引き起こし、地表の形をも変える 「活断層」。国は阪神・淡路大震災を機に、長さが20キロ以上で、マグニチュード7以上の地震を起こす可能性のある、114の活断層を調査し、その危険度などを公表してきました。
【画像】名古屋の“ど真ん中”にも活断層?「地震起こす可能性」「堀川断層は知らなかった」地震への備えは?
そのひとつが、岐阜県から三重県につづく「養老ー桑名ー四日市断層帯」です。
(愛知教育大学(地震学)戸田茂教授)「(活断層が)南北に通っていて坂が…」
愛知教育大学の戸田茂教授と訪れたのは、桑名市中心部の坂道。海が近く、平らなはずの桑名市でこの坂があること自体が“異常”だと指摘します。
活断層は地下の地層や岩盤に力が加わり、ずれ動いたもの 。過去に地震を起こした証であり、将来、再び地震を起こす可能性も秘めています。
「もし動いたら阪神淡路大震災と同じような地震が…」
阪神・淡路大震災を引き起こした「野島断層」など、断面が“崖”のように せり出した状態の印象が強いですが、表面の地層が柔らかいときは「たわみ」が生じてこうした、坂のような地形ができると言います。
(戸田茂教授)
「この断層は一級の断層帯 。もし動いたら阪神・淡路大震災と同じような地震が起きる可能性は十分に考えられる」
熊本地震は今後30年の地震発生確率「ほぼ0~0.9%」という活断層で起きました。この活断層の地震発生確率は「ほぼ0~0.8%」。国はリスクを「やや高い」と評価しています。
名古屋のど真ん中に“活断層”?
活断層から1キロの場所にある和菓子店「保々屋」。社長の相馬泰夫さん(67)の 防災意識を変えたのは「阪神・淡路大震災」だったと言います 。
(相馬社長)
「木型を大事にするのに、突っ張り棒。ここだけは 棚が倒れて木型が壊れては大変ですので(突っ張り棒を)しています」
落雁や和菓子の練り切りにかかせない「木型」は職人がいなくなり、家業を続けていくために、どうしても守らなければなりません。
相馬さんは自分たちの命を守るためにも、家具の固定を進めたほか、簡易トイレや浄水キットといった備えを増やしてきました。
(相馬社長)
「やっぱり怖いですよね 。阪神・淡路もすごい地震だったので」
一方、活断層か「否定できない」地形が名古屋のど真ん中にあることも分かってきました。
(大野和之記者)
「名古屋市の堀川にかかる橋にきています。西側に向かって緩やかに坂が続いていますが、ただの坂ではないかもしれないのです」
M7超の地震発生の可能性も
栄から西に向かい、堀川を越えると、名古屋駅方面に下り坂に…。
戸田教授は、この地形が桑名でみた“坂道”と同様、地下の断層が動いたことによる「たわみ」だと考えています。
約1キロ上流でも、同じように堀川を挟んで名古屋駅側に向かってハッキリ坂になった地形が。
(戸田茂教授)
「台地を上昇させたのが堀川断層の可能性があるということ。この断層が動いた場合、マグニチュード7超の地震が発生する可能性は十分にある」
堀川断層は名古屋の中心部を堀川沿いに貫き、南北10キロほどの長さで存在する可能性があり、2016年に行われた市による検証では「断層の存在は否定できない」と結論付けられました。しかし、国による詳細な調査は8年経っても行われず、扱いは「推定断層」のままです。
(名古屋市防災危機管理局 藤井巧己 課長補佐)
「今回の推定される断層については名古屋の中心、人口の密集する地域にある。 国には従前の基準にとらわれることなく、(今後も)断層の評価を依頼していきたい 」
日本には「2000」の活断層
南海トラフ巨大地震には 意識が高まる中、名古屋の人は…
(40代)「堀川は知ってるけど、堀川断層は知らなかった。ちょっと備えをしたいなっていうのはすごく思います」
(20代)「住んでいるところにいそういうのがあると聞くと、もうちょっと知りたい」
仮に堀川断層が、活断層でなかったとしても、日本には2000の活断層があるとされ、 名古屋周辺だけでも3つ。地震のリスクがゼロになる訳ではありません。
(戸田茂教授)
「活断層があることを知っておく。可能性があることも含めて知っておくことが大事。(活断層が)あるかもしれないことを理解して、準備を進めていくことが大事だと思う」
この国に暮らす以上、いつどこで起きてもおかしくない地震に常に備えていくしかないのです。
CBCテレビ「チャント!」2025年1月16日放送より