高速道路の落下物どうやって回収する? 脚立に一輪車まで命がけで落下物を回収するパトロール隊に密着
高速道路で見かけるパトランプのついた黄色の車両。交通事故の処理や故障車への対応、落下物の対応など、さまざまな形で高速道路の安全を守る「パトロール車」です。
今回はNEXCO中日本の協力の下、危険と隣り合わせの中で奮闘するパトロール隊に密着しました。
中央分離帯に落下物を発見!
今回取材した中日本ハイウェイ・パトロール名古屋 豊田基地にはエリア最大の59名の隊員が所属。担当路線は以下の5つです。
・東名高速道路
・新東名高速道路
・伊勢湾岸自動車道
・東海環状自動車道
・名古屋第二環状自動車道
非常に交通量の多い路線を受け持つ最前線の基地であることから、エリア内最大の規模で高速道路の安全を24時間守っています。
パトロール隊の任務として最も多いのが落下物の回収。この日も、2名1組でパトロール車に乗るパトロール隊員が東名高速道路をパトロール中に、中央分離帯に紐状の落下物が引っかかっているのを発見しました。
放置すれば高速で走る車が落下物を巻き込んで大事故につながる可能性も。隊員たちは路肩にパトロール車を止め、落下物の回収へと急ぎます。
車が猛スピードで走り抜ける中、交通誘導役の隊員が旗を振って車の流れを制御。さらに回収役の隊員も車の外に出て、タイミングを見計らいます。
誘導役の手旗による誘導で車の流れが落ち着いたところをみて、回収役が車の間を縫うようにして中央分離帯へ。大急ぎで回収し、路肩へと避難します。高速で車が走る危険と隣り合わせの任務ですが、2人1組の連携プレーで安全に落下物を回収できました!
回収した落下物は基地内にあるスペースで保管。約1週間の間にマットやビニールシート、脚立、工事用の足場材や大きな鉄板など、ひとたび巻き込めば大事故につながりかねないものが、多数回収されていました。
高速道路の安全を守るための装備
こうした落下物の回収から事故の処理に至るまで、さまざまなトラブルに対応するため、パトロール車にはさまざまな機材が積まれています。
その数なんと60以上! さらに隊員たちは、こうした機材を用いながら安全かつ迅速にトラブルへの対応を行うため訓練を欠かさずに行っています。
パトロール車に装備された電子板にも工夫が。電子版には200以上のデータが登録されていて、中には「どえりゃあ安全運転で」と名古屋弁のメッセージもありました。ユーモアにあふれたメッセージで、高速道路の利用者に注意を促しています。
非常時は「#9910」でセンターに通報
高速道路でのすべてのトラブル通報が集まるのが「通信管理基地」。1日80件前後寄せられる非常通報に加え、映像やデータを駆使して交通状況を24時間態勢で観察しています。
ちなみに高速道路での緊急事態は路肩に備え付けられている非常電話か、「#9910」に電話することでも通報可能。いざという時には、安全な場所に移動してから#9910に連絡するようにしましょう。
パトロール隊員たちの努力の積み重ねにより、高速道路の安全が日々支えられています。