車輪の脱落事故 センターハブナットが緩み部品ごと外れたか ガタついたら整備工場で整備を

岐阜市の道路で女性2人が倒れているのが見つかり、1人が意識不明の重体です。この事故の原因について、JAFに取材しました。
軽トラックから外れたタイヤ。現場で何があったのでしょうか。
事故が起きたのは18日午後8時前、岐阜市茂地の県道です。警察によりますと、三重県志摩市の建築業の男性(60)が運転する軽トラックが北に向かって走っていたところ、左側の後輪のタイヤ1本が外れたことに気付きました。
男性が車を降りて確認したところ、50~60m南の歩道で外れたタイヤを発見。そばに女性2人が倒れていたということです。
2人は岐阜市に住む60代の女性で、病院に運ばれこのうち1人は意識不明の重体だということです。
県道94号は、岐阜市内から関市や美濃市につながる道路です。車だけでなく、歩行者も多く通るといいます。
警察は、走っていた軽トラックから外れたタイヤが歩道を歩いていた2人を直撃した可能性が高いとみて詳しい状況を調べています。
事故の原因は?

なぜ今回、タイヤの脱落事故が起きてしまったのか、JAF岐阜支部で聞くとーー
「一概には言えないがタイヤを見るとボルトがついているので、センターハブナットが何らかの原因でゆるみが出て、タイヤが脱落したと考えられる。経年劣化など起こってはいけないが、あったのかもしれません」(JAF岐阜支部 事業係 認定セーフティアドバイザー 中村眞治さん)
JAFによると、タイヤの脱落の主な原因は、タイヤ交換などの際に使うナットが緩み、タイヤだけが抜けてしまうというものです。
しかし今回はタイヤと車体をつなぐ「センターハブ」のナットが緩み、部品ごと外れたとみられています。
このセンターハブは、一般の私たちは触る機会が少なく、整備工場などで点検してもらうものです。
「経年劣化と言っても、それを防ぐために必ず車両点検をするので、事前に安全に走るためにそうした整備をしなければいけいない。その状態で走ると危険」(中村さん)
車輪の脱落事故が増加する時期

タイヤがぶつかった際の衝撃はどれくらいなのか、国土交通省が大型車で行った実験映像があります。
大型トラックのタイヤが時速60キロで脱落し、歩道でベビーカーを押す男性にぶつかった場合を想定しています。重さ90キロのタイヤが勢いよく転がっていきます。
男性の体がくの字になり、頭がタイヤに接触するほどの衝撃。男性とベビーカーは約4m飛ばされてしまいました。
国土交通省によりますと、一般的に車輪の脱落事故はタイヤ交換をする今の時期が多くなる傾向にあるといいます。
大型車の車輪脱落事故の発生件数は、冬の間の11月から3月に集中しています。
「この3月や4月、12月などにタイヤを岐阜市内の方は変える。自分の中では締め付けた感覚でも、うっかりそのタイヤだけ締め忘れたなどタイヤの脱落が起きたりする」(中村さん)
我々はどのように対策するのがよいのでしょうか?
「走行中にタイヤがガタつくとか、ハンドルがとられるとか前兆があると思う。そうした場合は走ることを控える。すぐにでも整備工場で整備をする」(中村さん)