一部区間の“廃線”検討される名鉄広見線 赤字続きで…「路線の維持が難しい」存続か バス路線転換か 新可児~御嵩間

愛知県犬山市から岐阜県御嵩町までをつなぐ名鉄広見線。開通から100年以上、人々の生活の足を支えてきたこの路線は、いま一部区間で廃線の危機にさらされています。
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廃線が検討されているのは、新可児から御嵩までの約7.4キロ。
この区間の利用者の総数は、15年ほど前の年間約100万人から減り、昨年度はおよそ78万4000人に。2050年度には60万人を割ると想定されています。
廃線が検討される区間の駅の1つが、御嵩駅。登校する児童の見守り活動を駅前で10年以上続けている男性は…
「(駅の利用者は)減っている。昔と比べたら。廃線すると御嵩町は(存在感が)薄れる」
名鉄はこの区間で毎年およそ2億円の赤字を抱えています。2025年度までは沿線の御嵩町と可児市が毎年あわせて1億円を支援しますが、線路や駅舎などの施設の老朽化も進む中、名鉄はいまの枠組みでは「路線の維持が難しい」と御嵩町に伝えていました。
存続?バス路線に転換?
そんな中で、3月12日。名鉄広見線の存続を求める御嵩町民ら7000人以上の署名が町長と議長に手渡されました。
(御嵩町 渡辺幸伸町長)
「地域の活性化や町の持続可能性を見据えた時に、どういう公共交通のあり方が望ましいのか、これから議論・検討しながら進めていきたい」
そして19日、この存続を求める請願書を採択するか否かについて議会で議論されました。
(賛成議員)「財源を盾にして民意を遮断するのはいかがなものか。(町民らは路線を)どうしても残してほしい が本音」
(反対議員)「現状賛成できない立場。財政上の負担の確認が取れていない状況なので」
請願書の採択に賛成反対の両意見が飛び交う中、結果は…賛成議員10人、反対議員は1人。請願書は採択されました。
(名鉄広見線を存続する会代表)
「今回採択されて、御嵩町はこれから進んでいく方向になったことをうれしく思う。議会としての意思を重く受け止めたい」
今後は自治体側が更なる負担を受け入れ広見線を存続させるのか、あるいは、廃線してバス路線に転換するのかを沿線自治体と名鉄を交えて議論。ことし6月までに結論を出す予定です。
地域にとってなくてはならないローカル線。赤字が続く中、難しい判断を迫られています。