軽トラックのタイヤが外れて歩行者の女性に直撃か 専門家「左後輪が一番外れやすい」女性は意識不明の重体 岐阜市

岐阜市で昨夜、起こった事故。トラックから外れたタイヤは歩行者を直撃したとみられ、1人が意識不明の重体です。
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左後輪が外れやすいという専門家の指摘もありますが、一体なぜなのでしょうか。
(報告:松田亘哲 記者)
「軽トラックのタイヤは、こちらの見通しの良い道路を走行中に外れ、50メートルほど離れた先で見つかったといいます」
事故があったのは、きのう夜。岐阜市茂地の県道で軽トラックを運転していた60歳の男性が、左の後輪が外れたことに気付き、車を止めて探したところ、外れたタイヤの近くで女性2人が倒れていたということです。
1人は意識不明の重体、もう1人はけがをしていますが、意識はあるということです。
タイヤは、ボルトとナットで車に取り付けられていましたが、部品ごと外れていて、軽トラックから外れたタイヤが歩行者の2人を直撃したとみられています。
交通事故の専門家「静かに転がってくる」
(交通事故鑑定ラプター 中島博史さん)
「経年劣化と普段の使い方が過剰な負荷がかかるものだったために車軸が折れた。車軸ごとタイヤが外れてしまった事故だと思う」
警察は、過失運転傷害や整備不良の疑いなどもあるとみて調べています。
時速60キロで走っている大型トラックのタイヤが外れて人にぶつかると、どれ程の衝撃を与えるのか。
国土交通省が公開している動画では、重さ約90キロの大型車のタイヤが外れて歩行者に衝突する想定で実験。実験に使われた人形は後ろから転がってきたタイヤに沿うように折れ曲がり、頭もタイヤに打ち付けられました。
(交通事故鑑定ラプター 中島博史さん)
「非常に静かに転がってくるので全く気付かない状態で。タイヤの大きさは人間の腰骨くらいに衝突することから、脊髄損傷などを起こして重大な事故につながることが多い」
外れるのは「ほとんどが左側」
タイヤが外れる事故は過去にも。去年1月には栃木県内の国道で左前方のタイヤが外れました。
(目撃者)
「目の前の車が、いきなりタイヤが外れて。火花を出しながら急停車」
2022年には群馬県でもダンプカーの左の後輪が外れる事故が。タイヤは歩道を歩いていた男性に直撃しました。
岐阜県恵那市でも2016年に左の後輪が外れ、後ろを走っていたトラックに直撃しました。
いずれも左側のタイヤが外れています。タイヤが外れる事故は、ほとんどが左側だと専門家は指摘します。
(交通事故鑑定ラプター 中島博史さん)
「基本的に道路は水はけがいいように、わずかに外側が傾斜している。さらに左側通行だと左折で一番内側を通るタイヤが左側の後輪。ねじを緩めようとする力が一番かかるのが左後輪なので一番外れやすい」
脱輪を防ぐための対策は
自分が運転する車のタイヤが万が一外れて人の命を奪うことがあってはなりません。どうしたらいいのでしょうか。
(交通事故鑑定ラプター 中島博史さん)
「特にタイヤ交換をした後の1週間程度走行したところで、もう一回、増し締めなどをして、ねじが緩んでないか確認する。ディーラーや修理工場などのプロ、もしくはガソリンスタンドなどで、きちんとした規定の締め付けの力で直してもらうのが良いと思う」