「卵は絶対にここ」76歳女性が9キロ、約180個、3軒分の卵を大量買い 名古屋コーチンの卵の直売所
愛知県小牧市の山田養鶏の直売所では、名古屋コーチンの卵を求め多くの常連客が訪れます。JA全農たまごによると、8月から相場価格が4か月連続で上昇しているといいます。その理由が「暑さ」です。山田養鶏の直売所の店長は「(鶏が)暑いと卵を産まなくなって、卵の値段が高くなってきている」と話します。
汗をかかない鶏は、暑さによって“夏バテ”になり、卵を生む数が減るなどして価格も上がるそうです。そんな中、山田養鶏の直売所には名古屋コーチンの卵を買い求めて訪れる人の姿がありました。
午後2時ごろ。開店と同時ににぎわう店内で、定点カメラが1人の客をキャッチ!
客:
「名古屋コーチン1キロと赤玉1キロください」
購入したのは、名古屋コーチンと地鶏の赤玉。この店では、店内に置かれている袋の商品を超える量がほしい場合、直接店員に注文するようになっています。
名古屋コーチンと赤玉、全部で40個ほど購入したお客さん。賞味期限があるのにそんなに食べられるのでしょうか。
客:
「家族が卵を好きなので、2週間ぐらいで(食べきれる)」
取材スタッフ:
「ほぼ毎日、卵を食べますか?」
客:
「そうですね。すごくおいしいです。大阪出身なので帰省したときに、名古屋コーチンの卵を配りました」
取材スタッフ:
「どのくらいの量を購入するんですか?」
客:
「500グラムの袋で30個ぐらい買って帰ります。お菓子とかよりも喜ばれるので」
ちなみに、この日に買った卵はたこ焼きにしたそうです。
続いてやってきたのは1人の女性。500グラムで約10個なので、あわせて約180個も購入するといいます。2つ、3つと女性が持ってきたカゴにどんどん積まれていきます。
そして最後の袋は自分で持ち、全部で9キロの卵を難なく持ち帰りました。自宅の料理に使うだけでなく、知り合いに渡したり、子どもたちに配ったりするそう。
「必需品の卵は、絶対にここ(山田養鶏)で買う」と話すこの女性。実は76歳と元気いっぱいです。
続いてやってきた親子が手に取ったのは「はつうみ卵」。若鶏が初めて産んだ卵のことで、名古屋コーチンなどと比べると小さく、味は甘味が強いのが特徴です。
現在は犬山に住んでいるこの女性。名古屋に出向いて店で卵を買うのには、ある理由がありました。
女性:
「30年くらいは通っています。昔は父と母と卵を買って母は父が卵かけご飯が好きだったので、一生懸命作って食べさせて、という感じだったんですが。今は父も亡くなって、母は病院にいるんですけど、ここで卵を買いに来ちゃいますね」
思い出の味であるこの店の卵で、現在も卵かけご飯を食べるといいます。
女性:
「私たちにとってはなくてはならないものですね」
価格が上がる中でも、“たまご愛”を貫く人の思いが聞けました。