「もう疲れる 政治家は現場見にきて」振り回される農家の叫び “減反”から180度転換 コメ政策“増産”へ 水の確保は?種もみは?

コメ政策は“増産”へと向かっています。石破茂首相は、ことし3月の参議院予算委員会でこう発言しました。
「これからギリギリで行くのではなく米の生産を増やしていく」
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そんな中、きのう三重県では条例改正に向けた動きがありました。
(三重県の担当者)
「農業生産の拡大や食料自給率の向上に向け、生産力の強化や輸出も含めた販路の拡大等に必要な施策を講じる旨を規定する。改正を行いたいと考えている」
条例案ではこれまでになかった、“生産力を強化”することなどを検討、もちろんコメも対象です。
農家に聞く「コメの増産はできるのか」
(松本道弥アナウンサー)
「国や県が目指すコメの増産ですが、実際にできるのかどうか農家に聞きます」
三重県東員町の農家、齋藤啓太さん。ことし、すでに約2ヘクタール作付面積を拡大したと言います。
(斉藤來洲 齋藤啓太さん)
Qコメを増産どう思う?
「いま30ヘクタール作っている。1割ならまだ何とかなるが、1割増やすと田植えだけでも1日増える」
付随する作業を考えると1割増やすのが限界です。
心配事は「水の確保」老朽化する水路…
いまはコメの他に水の使用量が少なくてすむ大豆も栽培。その場所を仮に稲作に変える場合、新たな用水路が必要です。
(齋藤さん)
「(課題は)インフラ。この水路もそう。整備から30年経っているので老朽化している」
人手不足も含め課題は山積みです。きのうの三重県議会では…。
「政治家の皆さん現場を見にきて」
(舟橋裕幸県議)
「そんなに急に“種もみ”を増やすことはできないと思うが、その種もみを増やすための努力は、県としてどうしていくのか」
(三重県の担当者)
「『増やしましょう』となったときにすぐにできるかといったらそうではないので、国の動きも見ながら、種もみの確保というのも検討していく」
元となる種もみの確保は絶対です。県外の産地にも働きかけてなんとかしなければなりません。長年の減反政策からの180度の転換。とまどいは当然です。
(松本アナ)
「これまで減反減反と言われて、いきなり『ハイ、じゃあ増産して』と言われて気持ちはどうですか?」
(齋藤さん)
「振り回されてもう疲れる。正直、あんまり言うこと聞きたくない。『できればやめてくれ』って思う。政治家の皆さんには現場を見にきて、どういう現状なのか見てもらわないと厳しいかなと思う」