蚊の活動が活発に 越冬卵が産まれることも これからの時期は要注意

猛暑が続く今年、蚊の活動は、暑さが和らぎ始めるこれからが要注意です。
9日の東海地方は朝から晴れて気温が上がり、愛知県と三重県には熱中症警戒アラートが発表されています。
午後3時までの名古屋の最高気温は、36.5℃。
名古屋をはじめ岐阜県の多治見や、三重県の伊賀市上野などで猛暑日となりました。
暑さの厳しい日が続いていますが、10日以降はこの猛烈な暑さは少し和らぐ見込みです。
今年の夏は暑い日が続き、お出かけを控えることも多かったのでは。
活動を控えていたのは、人間だけではないようです。
Q.虫刺されはこの夏あった?
「なかったです。最近夜が涼しくなって、やっと(蚊を)見たかなという感じ。電気を使う蚊取り線香のようなものを使っていたが、今年は一回も出していない」(街の人)
「(蚊に)刺されたというのが一度くらいしかないので、蚊もこの暑さであんまり出てこなかったような感じ」(街の人)
今年の蚊の数は?

今年は蚊の数が少ないのでしょうか――
名古屋市で蚊の研究をしている天野賢さん。
天野さんは5月から週に1回、名古屋市内の公園で蚊を捕獲し調査しています。
Q.今年の蚊はどうですか
「8月はちょっと少ない。我々の調査でも少なかったです。調査では少なかったけれど、日影に隠れているだけでおそらく9月10月には隠れていた蚊がでてくる」(名古屋市感染症対策・調査センター 天野賢課長補佐)
蚊は約20度で活動を開始し、25度から30度になると活発になり30度を超えると活動が鈍ります。
猛暑が続いていたこれまでは活動が鈍かったものの、少しずつ暑さがおさまってくるこの時期は、特に注意が必要です。
「酷暑の影響で蚊の活動が低下しているのが8月に特にみられるので、やはり酷暑の場合は秋くらいにピークがあるというのは今後もみられる」(天野課長補佐)
10月は蚊に刺されないよう注意

これからの時期に蚊に刺されると、来年の蚊の数に影響してしまう可能性が――
「吸血って、卵を産むためだけに吸血しているんですけどメスが。外気温とか日照時間によって母体が影響を受けて、『越冬卵つくらないと』となるみたいです」(天野課長補佐)
越冬卵は秋に産んだ卵が冬を越し、翌年にふ化する卵のことです。
「吸血を10月にされたら越冬卵が産まれてしまうので、特に10月は気を付けてくれればと思います」(天野課長補佐)
今からできる対策は――
「蚊が隠れやすいので、お庭とか草がいっぱい生えていたら刈っていただく。蚊が住みにくくなる。水たまりをつくらないということも大事。とくに植木鉢の皿を屋外で絶対に使わない」(天野課長補佐)
蚊にさされないためにも――
「個人防御としては虫よけですね。1回塗ったら終わりではないので、汗で流れてしまう。塗り残しがあると、そこに蚊がくると言われているので、きちっと使っていただくといいと思う」(天野課長補佐)
市内のホームセンターでは…

カインズ名古屋堀田店では、虫よけ対策の関連商品の8月末の売り上げが、前の年の同じ時期と比べて1.2~1.3倍に上がっているといいます。
「今年は『はだまも』と言われる虫よけスプレーが人気。小さな子どもにも使える、肌に優しいものとなっている。それが大きな人気の要因のひとつ。虫よけスプレーは前年と比較して1.7倍から2倍ぐらいの売り上げ」(カインズ名古屋堀田店 小林哲也さん)
また、蚊取り線香も8月後半になってから同じように売れ始めているといいます。
今年は9月に殺虫用品の購入者が増える

本来ならシーズン真っただ中の7月後半から8月前半にかけて対策グッズのニーズも増えるといいますが、今年はその時期に売れず、いまの時期に購入者が増えているといいます。
「ひとつは気温が落ち着いて、蚊の発生が多くなっているのが要因かと。現状は9月の末までを予定しているが、蚊の発生も減らないということであれば、引き続き、もしくは別の場所で殺虫用品の販売を継続する予定」(小林さん)