
静岡の竜巻は国内最大級の風速約75mか…体験施設で分かる“暴風の恐ろしさ” 25mでも「息ができない」


気象庁は静岡県で発生した竜巻について、風速が約75mに達し国内最大級の規模だと推定されると発表しました。愛知県豊田市の施設で暴風を体験すると、風速25mでも「息ができない」ほどで、その威力の一端を実感しました。
■威力はどれほどなのか…風速25mを体験
愛知県豊田市にある「防災学習センター」では、地震や火事の際の消火などが体験できます。 ここにあるのが、実際に風速10mから最大30mまでの暴風を体験できる設備です。さっそく記者が体験しました。

(リポート) 「風速25m以上は息ができないですね。前を向いているのも辛いです」 次は傘を持って体験してみましたが、風速25m以上になると、傘が壊れてしまいました。

(リポート) 「手が震えるというか、傘を持っているのが精一杯」 豊田市消防本部予防課の担当者: 「木の枝や小石、そういったものが当たるとケガだけでは済まない場合がありますので。子供や高齢の方には外に出ないように気を付けていただきたい」 また、過去に風速60mの風を再現できる装置で実験をした際は、パイロンだけでなくコンクリートブロックも軽々と吹っ飛んでいました。

今回は、これを15m上回る75mの風速です。
■名古屋でも他人事ではない…専門家が指摘する“起こりやすい場所”
静岡県内で発生した竜巻被害ですが、なぜこれほどまで甚大な被害となったのでしょうか。 竜巻に詳しい防衛大学校の小林教授によりますと、今回、直線では描けない複雑な被害域になっていることから、非常に大きな竜巻の中に小さな竜巻がいくつも存在する「複合渦」という現象が起こっていた可能性があるということです。

竜巻による被害は、決して他人事ではありません。 防衛大学校の小林文明教授: 「統計的にいうと、濃尾平野・名古屋の辺りはこれまでもけっこう起こっている。海に面していて、湾の地形があって、風も集まりやすい、雲も入りやすい、さらに陸地側も平野が広がっているので、積乱雲がさらに上陸して発達しやすい。今後も起こりやすいと考えた方がいいと思います」 また、自宅の中でも安全とは言えません。自宅で身を守るためには「浴槽の中」に逃げるのがオススメだということです。

小さな子供がいる場合は、バスタブの中で下にして守り、大人がクッションや毛布で頭を守りながら嵐が通り過ぎるのを待つ、という判断も念頭に置いて欲しいということです。