「肩の荷が下りた 苦しかった」教え子の金メダル14個 レスリング 栄監督が退任へ 「厳しい練習が自己満足だったか…」“パワハラ”に後悔も

教え子たちが勝ち取った金メダルは14個。
至学館大学女子レスリング部の栄和人監督が退任することになり、本人を直撃しました!
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(大石邦彦アンカーマン:以下大石)
「愛知県大府市の至学館大学に来ています。朝7時すぎ、女子レスリング部恒例の朝練、今日のメニューウエイトトレーニングなんですけども…やってます!!監督おはようございます」
名門の女子レスリング部で毎朝欠かすことのない朝練習を見守る栄和人監督(64)。指導を受けているのは高校生。
どの選手も栄監督が全国からスカウトした愛弟子たちです。
(大石)
「監督はどんな人?」
(高校1年生(三重県出身))
「いつも面白くて明るくて元気もらっています」
かつて栄監督は、「オリンピックの正式種目になる」ことを見据え約30年前から女子レスリングの指導に力を入れていたといいます。
(至学館大学レスリング部 栄和人 監督)
「学長から『7年指導してくれないか』ということでここに来たんですよ」
一番の思い出は「吉田・伊調のアテネでの金」
そして…後に、金メダルを獲得した吉田沙保里さんや川井梨紗子さん、登坂絵莉さんらを育て上げ、これまでに教え子たちにもたらした金メダルは合わせて14個。
長年の指導が実を結びました。
中でも栄監督の一番の思い出だというのが…
(至学館大学レスリング部 栄和人 監督)
「吉田(沙保里)伊調(馨)がアテネで金をとった時は本当にうれしかった」
こう振り返る栄監督。
しかし、2018年に、自身の伊調馨選手に対する行為の一部がパワハラと認定される事態に…。
(至学館大学レスリング部 栄和人 監督)
「金とったら選手も喜ぶんじゃないかというのもあるが、それを実現させるために強要したり厳しい練習をしたのが自己満足だったか・・・」
「本当に恨んでいたら集まらない」教え子たち約40人がサプライズ
そんな監督に教え子たちからサプライズが!
3月15日、至学館大学のOGら約40人が集まり監督を労いました。
この会に参加したリオ五輪の68キロ級で金メダルを獲得した土性沙羅さんは…
(リオ五輪 金メダリスト 土性沙羅さん)
「練習の終わりかけくらいにみんなで道場に行った 監督は知らなかったのでびっくりして泣いていた。(監督は)本当に熱いというか、ねちっこいというか・・・選手全員に火をつけてくださったのは監督だと思います」
(リオ五輪 金メダリスト 土性沙羅さん)
「しっかり信頼関係を築けていたので、あれだけの人数の皆さんが集まった」
(至学館大学レスリング部 栄和人 監督)
「それぞれにお小遣いをあげましたよ、お年玉を」
(大石)
「ポケットマネーでいくらくらいになったんですか?」
(至学館大学レスリング部 栄和人 監督)
「全部で70万円ぐらい」
(大石)
「え~!」
栄監督は今後、至学館大学の非常勤講師を務めながら社会人選手らの指導に当たるということです。
(大石)
「さびしくないですか?」
(至学館大学レスリング部 栄和人 監督)
「今となったら肩の荷が下りた。それぐらい(監督は)苦しかった」