名古屋市の市民税“減税10%への拡大” 来年度は見送りに… 河村たかし前市長は「4年かけてやっていけばいい」広沢一郎市長の選挙公約

名古屋市民の暮らしに直結する看過できない動きが。来年度からの「市民税減税10%への拡大」が見送られることがわかりました。
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去年11月、河村たかしさんの後継として誕生した広沢一郎名古屋市長。
(名古屋市 河村たかし市長(当時) 去年11月)
「減税を5%から10%へ絶対やってちょうだいよ」
この公約は、当選直後には「2026年度からの実施を目指す」としていました。しかし10日、名古屋市は来年度以降の財政収支見通しを発表。
(名古屋市 広沢一郎市長 10月10日)
「公約で掲げていた5%から10%への深堀り、大変厳しい財政状況にあるということで、令和8年度については見送らせていただきたい」
2026年度からの減税率10%への引き上げは、見送る方向になったのです。
(広沢市長 10月10日)
「来る令和9年、10年度は収入支出状況を見ながら、公債償還基金への返済をにらみながら、なお余裕が出せるかチャレンジして出せたところを減税に回したい。なので、まだいつからやれるかは明言できない」
そもそも「市民税減税10%」の源流は?
(河村たかし市長 2009年当時)
Q市民税減税10%、実現できるか?
「できなかったら、堀川か名古屋港に沈めてもらわないかん」
2009年に河村前市長が公約に掲げ、2010年度に1度は実現。しかしその後、議会との対立もあり、2012年度からは5%が維持されてきました。
そして、広沢市長がその意思を継いで去年後継となったわけですが、今回10%への引き上げが見送られた要因は?
「特別な要因としては“アジパラ”」
(広沢市長 9月29日定例会見)
「特別な要因としては、“アジパラ”にかかる経費」
来年行われる予定のアジア・アジアパラ競技大会が、資材高騰の影響などもあり経費が増大。すでに市の負担分だけでも624億円となっていて、今後さらに増える可能性もあるということ。さらに…
「ふるさと納税」だけで100億円を超える赤字に
昨年度、名古屋市へのふるさと納税の寄付額は約138億円と全国7位。しかし流出額も多く、返礼品のための経費などを差し引くと昨年度は、ふるさと納税「だけ」で100億円を超える赤字になりました。
この他、名古屋市職員の賃上げも予定されていて、減税のための財源は、確保できる状況ではないのです。
減税拡大10%見送りに河村前市長は…
公約にしていた「減税10%」の見送りに街の人は。
(70代)
「いまいち納得いきませんね」
「公約ですから実行していただくことが本筋」
(30代)
「ずっとごまかしているよりは、いいのかなという第一印象」
そして10日、河村たかし前市長にも聞きました。
(名古屋市 河村たかし前市長)
Q.任期中に10%減税は可能だと思うか?
「1年ではいろいろな状況があってできないこともある。(減税率を)6・7・8%と4年をかけてやっていけばいい」