寝苦しい夜…どう快適に眠る? 医師「一晩中エアコンが常識に」、寝具店長「3つの“かけ”がキーワード」

まだ6月とは思えない暑さに、寝苦しさを感じている人も多いのでは。特に気をつけたいのが、寝ている間の熱中症対策です。
19日の東海地方は各地で35℃以上の「猛暑日」に。
岐阜県の多治見の最高気温が2日続けて全国1位となるなど、過酷な暑さとなっていましたが、20日は――?
「きのうよりかはマシって感じ」
「木陰に入ると結構涼しい。きのうはもう木陰に入っても暑かった」
20日の東海地方は、気温は19日ほどまで上がらなかったものの、蒸し暑い一日に。各地で30℃以上の「真夏日」となりました。
午後3時までの最高気温は、名古屋が32.2℃、岐阜県の多治見が34.1℃、三重県の伊賀市上野で33.8℃でした。
気をつけたいのが熱中症です。東海地方では19日に岐阜県池田町の男性が亡くなりました。
引き続き注意が必要ですが、見落としがちなのが夜間の対策です。
街の人に聞いてみると――。
「エアコンをずっとつけるようにしています。扇風機などで耐えていたが、耐えられなくなってしまって」
「子どもがエアコンをつけっぱなしじゃないと熱中症になってしまうので、つけっぱなしでサーキュレーター回して過ごす」
この後も最低気温が24℃前後までしか下がらない日が続く見通しで、しばらくは寝苦しい夜となりそうです。
医師「一晩中エアコンが常識」

そんな中、睡眠に詳しい専門家は「夜寝ている間にも熱中症になる可能性がある」と警鐘を鳴らします。
「もしエアコンをつけずに寝た場合、気温30℃を超える部屋もある。その状態でエアコンを使用せずに寝た場合は、十分に熱中症の可能性があると思います」(名古屋市立大学病院 睡眠医療センター 佐藤慎太郎 センター長 )
適切な温度管理をしなければ、寝ている間に汗をかいてしまい、脱水症状になってしまうことも。特に高齢者はリスクが高いといいます。
「高齢者の方が夜間の睡眠中に熱中症で亡くなられたという報道もあるようですから、やはり睡眠中であっても熱中症は油断ならない」(佐藤センター長)
では、睡眠中の熱中症対策は――。
「お金をけちらずにエアコンを使うのが大切。以前はエアコンは夏は一晩中つけちゃだめという考え方が主流だったかと思いますが、ここ数年の日本の暑さだと、睡眠の世界では一晩中エアコンが常識。やはり命が大切ですから」(佐藤センター長)
暑い夜をのりきる「3つの“かけ”」

ムシムシとした寝苦しい夜、快適な睡眠環境を整えるにはどうしたらよいのでしょうか。
枕やマットレスを取り扱う寝具店「快眠SHOP 冴ゆ 本店」(名古屋市中区)の石原丈嗣店長に聞きました。
キーワードは「3つの“かけ”」です。
1つ目は「冷房を“かけ”る」。
「寝室のエアコンを寝る前から目覚めまで入れる。設定温度は6畳で26~28℃が適温といわれています」(石原さん)
2つ目は「布団を“かけ”る」。
「エアコンや汗で体を冷やさないため、布団カバーは綿や麻の天然素材がおすすめです」(石原さん)
3つ目は「寝汗を“かけ”」。
「パジャマに汗を吸わせる、長袖・長ズボンかつ天然の綿や麻がおすすめです。暑そうにみえますが、冷房で体温が下がるので、朝起きた時に快適になるにはこの方がよく、睡眠の質も上がります」(石原さん)