
来年4月から自転車違反に「青切符」 反則金は“ながらスマホ”1万2000円・右側通行6000円 16歳以上が対象に 知らずに運転していませんか?

“ながらスマホ”で運転、一時停止の標識があるのに停止線の手前で止まらない、車道の右側を走る、こうした自転車の違反、今後、取り締まりの手続きが変わるのを知っていますか?
2時間で10人近くも…自転車の“ながら運転”

自転車が行き交う名古屋市中区・栄の交差点。そのなかに“ながらスマホ”で運転する人が。画面を操作しながらの人や、通話しながら走行する人も。
取材していた2時間ほどの間に、10人近くながらスマホの自転車が見られました。
目立つ自転車の交通違反。近年、愛知県では自転車事故による死傷者数が増加。そのうち、自転車側に違反があるケースも増えているのです。
そうしたなか、2026年4月から交通事故の原因となるような、自転車の「悪質・危険な違反」に対し、いわゆる「青切符」制度が導入されます。
「青切符」制度では、ながらスマホや信号無視、右側通行といった違反について摘発された場合、決められた反則金を支払うことになるのです。
警察が交差点で取り締まり 制度導入を知らない人も

10月24日、名古屋市西区の交差点で警察が自転車の交通違反に対する指導・取り締まりを行いました。
3か所に一時停止の標識がある交差点。停止線の手前で止まらなかった場合、2026年4月からの青切符制度では5000円の反則金を支払うことになります。
交差点に進んできた自転車に警察官が声をかけますが、一時停止をしなかっただけでなく、右側通行、つまり逆走も。車の前を突っ切る危険な運転で、しっかりと注意を受けました。
さらに別の自転車も、注意を呼びかけられましたが、停止線で止まることなく、そのまま交差点に進入。警察がすかさず呼び止め、取り締まりの対象に。
なかには、青切符制度が導入されることを知らなかった人も。
この日は、1時間半で3人が取り締まりを受けました。
ながらスマホの“視線の動き” 高校生が実験に参加


一方、“ながらスマホ”について名古屋市の緑高校で行われたのは、生徒がスマホを操作しながら自転車に乗り、視線の動きを調べる実験です。
通常の運転では、視線の位置を示すオレンジ色の丸が、まんべんなく動いているのがわかりました。
スマホを操作しながらの場合、視線を示すオレンジ色の丸が、スマホの画面に集中していることがわかります。時折顔を上げるものの、ぶつかりそうになり、歩行者側が避ける場面も。
体験した生徒は「スマホを見ていると自分の周りも見えないし、顔を上げた瞬間にも目の前に人がいて、実際に道路でやったら危険だなと感じました」と話し、改めてながらスマホの危険性を実感した様子でした。
実効性が期待される青切符 “主な違反”と“反則金”は?

2026年4月から自転車の違反に導入される「青切符」制度。
主な違反と反則金は、スマホなどのながら運転は最も高い1万2000円、信号無視・逆走は6000円、一時不停止・無灯火・傘さし・大音量でイヤホン使用は5000円。16歳以上が対象となります。
なぜ「青切符」制度を導入することになったのでしょうか。
自転車の違反で摘発された場合、「赤切符」では警察の捜査の後、検察が起訴・不起訴の判断をしますが、実態として不起訴になる場合が多く、実効性の低さが問題となっていました。
一方、「青切符」は反則金を支払う形で、実効性のある責任追及が期待されます。
中京テレビ「キャッチ!」のコメンテーターを務める弁護士の嵩原安三郎さんは、「青切符」制度の導入について、このような見解を示しています。
弁護士の嵩原安三郎さん:
「いくら危険だと注意しても、実害がないと分からないもの。反則金を払うことではなく、それほど重大な違反なんだと認識することで、やめる人がたくさん出てくると思う」
青切符制度が導入される前に、いま一度交通ルールを確認し、安全な運転を心がけましょう。





