
5分100円から利用可能…全国展開中の家事代行サービス『御用聞き』に密着 どんな人たちが何を頼んでいるのか


「御用聞き」は5分100円から利用できる家事代行サービス。換気扇の交換や草刈り、買い物代行まで幅広く対応し、高額になりがちな専門業者よりも安く依頼できるのが魅力です。高齢者や家族の負担を減らし、生活を支える存在として注目されています。
■キッチンの換気扇の交換で880円
家事代行サービス「御用聞き」は、2010年に東京で誕生。現在、全国13都道府県で展開しており、2025年7月には三重県菰野町にもエリアを拡大しました。愛知県では名古屋市や刈谷市など6つの市で対応。「草刈り」や「掃除」など、どんな些細なことでも5分100円から利用できます。

この日は、名古屋市瑞穂区に住む70代の女性から「キッチンの換気扇を交換してほしい」と依頼がありました。 依頼者の女性: 「御用聞きは分単位の料金なのでお願いしやすかった」 使い続けて30年以上。スイッチが固く、紐も切れてしまった換気扇。女性は極力火を使わないようにしていたと話します。

以前、家電量販店で購入した新品を「自分でつけられますよ」と言われたものの、高所で取り付けようとして転びそうになり、あきらめたといいます。 スタッフが枠を掃除し、新しい換気扇を設置。羽根とフィルターを取り付けて完了。作業はわずか15分でした。

依頼者の女性: 「素晴らしい。換気扇で熱い空気を外に出したかった。こんなに簡単なら、早くやってもらえばよかった」

料金は、作業15分(5分100円)と出張料500円を合わせて880円。専門業者なら2万円ほどかかることもあるそうです。
■暑い夏に人気の“お墓掃除代行”
夏の暑さが厳しいこの時期、屋外の作業を頼む人が増えています。愛知県刈谷市に住む50代の女性からの依頼は、「お墓掃除の代行」。

御用聞きのスタッフ: 「年に1、2回依頼をいただいている。僕のお墓参りの一つになっていますね」 依頼者は、長時間外にいることを避けるため掃除だけ依頼しているそうです。5月に供えた花は枯れ、周囲には雑草がびっしり。スタッフは石を傷つけないよう、刃がむき出しでない草刈り機で慎重に作業。気温38.9度の中、水を汲み、墓石を磨き上げました。

スタッフ: 「お墓は神聖な場所。心を込めて掃除する。依頼者さんは来たいと思っている。僕が代わりに掃除をさせてもらっているので」

ブラシで汚れを落としたら、タオルで磨いて依頼完了。墓石はピカピカに、足元もきれいになりました。料金は出張料込みで6050円。他社では年4回で3万2000円かかることもあるといいます。
■この季節、一番多い依頼は“草刈り”
御用聞きのスタッフによると、この時期の依頼で最も多いのは「草刈り」。暑さのため、他社で断られるケースも多いといいます。 この日、刈谷市の80代女性から届いた依頼は、約100坪ある庭の草刈り。足を悪くしてからは手入れが難しくなり、依頼するようになったといいます。100年以上代々受け継がれてきた庭は、ご主人の思い出も詰まった場所だといいます。

依頼者の女性: 「ボタンとシャクヤクの花は残してほしい」 依頼者に、残すものと刈るものをしっかり確認してから作業を始めます。固い枝はノコギリで、陶器の置物の近くの雑草は手作業で丁寧に除草していきます。依頼者の家族も手伝い、作業は順調に進み、中庭も地面が見えるほどスッキリしました。

依頼者の女性: 「キレイにしていただけるのでありがたい。すごく丁寧」 料金は出張料込みで1万4300円。専門業者なら3万円かかることもあるそうです。

暑いこの時季にほかに多い依頼は、日よけの取り換えやエアコンのフィルター掃除など暑さ対策に関するものが多くあるといいます。
■“買い物代行”も人気
名古屋市港区の60代女性からの依頼は「買い物代行」。 依頼者の女性: 「暑くて杖をついていくのが大変だから。これを買ってきてほしい」

スタッフは、依頼者が買ってきてほしい商品を撮影。写真で確認しながら買い物します。まずは、約1キロ先のドラッグストアで紙おむつを購入。そして、食材購入のため約3キロ離れたスーパーへ向かいます。

スタッフ: 「(電話で)ドレッシングが和風のやつがない。シーザーサラダ?わかりました。2つ?こちら買っておきますね」

売り切れや代替商品の確認も丁寧に対応。スタッフは「依頼者が健康に気を使っているかを考えながら、できるだけ希望に沿うように買っています」と話します。 依頼者の女性: 「これが食べたかったのよね。タクシー使うより値段が安い。初めてだけど大満足」 料金は1時間で4290円。他社では8000円ほどかかる場合もあるといいます。

御用聞きの最大の特徴は、「5分単位の料金」と「細やかな対応力」。草刈りや掃除などの屋外作業から、買い物や日常の困りごとまで、地域の暮らしに寄り添い、人と人をつなぐ存在になっています。 2025年9月18日放送