7月の津波被害乗り越え…秋の味覚“浦村かき”の出荷はじまる「大ぶりで甘みもありプリプリ」 三重・鳥羽市

ことし7月、地震による津波被害を受けた三重県鳥羽市の浦村かき。今年の出来は?
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(西本明日華記者 三重・鳥羽市 生浦湾)
「こちらの養殖場ではかきの出荷作業が進められています。カゴいっぱいに、かきが入っていきます。大漁です」
この地方の秋の味覚「浦村かき」。かき養殖の町として知られる鳥羽市浦村町では、かきの出荷が始まりました。
三重県鳥羽市にはことし7月に、ロシアのカムチャツカ半島で起きた巨大地震の影響で40センチの津波が押し寄せ、浦村地区では約2000台のかきの養殖いかだのうち、372台が流されるなどの被害に遭いました。
(浦村シーファーム・浅尾大輔さん)
「内海になると被害が大きくて(いかだが)重なり合ったり、かきとアンカーロープがぐるぐるになったり…」
浦村シーファームの被害当時ときょうを比べてみると、重なることなく並列に。約1か月かけて復旧作業が進められ、すっかり元通りです。
今年の出来は…大ぶりで殻いっぱいに身が詰まる
またここ数年浦村かきは大量死が続き、浦村シーファームでは去年約7割のかきが死んでしまったといいます。黒潮大蛇行の影響とみられ暖かい海水が入り込み、熱に弱いかきの大量死につながったなどと考えられています。
その後、ことし4月に黒潮大蛇行が終息。今年のかきを見てみると…
(浅尾さん)
「今収穫したかきは大ぶりなかきが多い。ダントツに死んだのが少ない」
大ぶりで殻いっぱいに身が詰まったかきに!
(浅尾さん)
「すごく甘みもある。貝柱もプリプリしておいしい」
今年は1本のロープに去年の倍以上のかきが。ここ数年で、味も量も最高だといいます。
(浅尾さん)
「ことしやっと(いいものが採れた)という感じ」
1年で出荷できるため、臭みが少なく生で食べるかきとして人気の浦村かき。浦村シーファームのかき小屋「かきいち」では10月4日から営業が始まり、生かき1個250円で販売されるということです。