
【台風情報】「台風1号」発生 台風由来の暖かく湿った空気の影響で引き起こす“大雨”と”猛烈な暑さ” 過去5番目に遅い記録 最新の雨・風シミュレーション(11日16時00分時点)

11日午前9時、南シナ海でことしの「台風1号」が発生しました。
【画像】この先の進路は?「台風1号」発生 最新の雨・風シミュレーション
台風は北上した後、中国大陸で東へ進み、16日(月)には熱帯低気圧に変わる見込みです。これは、大陸へ上陸することで、台風のエネルギーになる水蒸気が供給されなくなり、勢力は弱まるためです。
ただ、台風由来の暖かく湿った空気が日本列島に流れ込むため、大雨のおそれがあります。
スーパーコンピュータによる雨と風のシミュレーションを見てみます。
シミュレーションの左下(香港の西)には渦があり、これが台風1号とみられます。この渦は大陸に上陸する予想です。
台風から日本列島は遠いですが、14日ごろから活発な雨雲がかかりはじめます。これは梅雨前線です。
台風の直接的な影響はない見込みですが、前線の南にある高気圧が南から湿った空気を送り込むポンプの役割を果たし、梅雨前線の活動が活発化するおそれがあります。
大陸に上陸すると、風の渦はよくわからなくなりますが、活発な雨雲だけは存在しているのがわかります。
台風由来の湿った空気は次第に東へ進み、北日本方面へ進みます。台風1号は、16日には熱帯低気圧となる見込みです。
台風と熱帯低気圧の違いは風が弱まること。台風ではなくなったとしても、大雨のポテンシャルは高く油断はできません。
台風の進路や、活発な雨雲の位置など、この予想で固まっているわけではありません。最新の情報に留意してください。
また、台風由来の活発な雨雲が激しい上昇気流を発生させ、夏の太平洋高気圧を強めます。そのため来週は猛烈な暑さになる所がある見込みで、17日(火)~18日(水)には、岐阜や熊谷で最高気温35℃と猛暑日が予想されています。暑さにも警戒が必要です。
発生が遅かった「台風1号」ことしの傾向は?
ことしの台風1号は、記録的に遅い発生となりました。
<台風1号の発生遅い順(日本時間)と年間発生数>※去年までのデータ
①1998年 7月9日(午後3時) :16個
②2016年 7月3日(午前9時) :26個
③1973年 7月2日(午前3時) :21個
④1983年 6月25日(午後3時) :23個
⑤1952年 6月10日(午前3時) :27個
⑥1984年 6月9日(午後3時) :27個
台風は、夏から秋の発生が多いものの1年を通して発生します。
ただ、ことしは5月までの発生がありませんでした。これは1951年の統計開始以来9年ぶりのことで、台風1号の発生の遅い順に並べると、過去5番目となっています。
これは、台風の発生する南海上で対流活動が活発になっていなかったためです。
これまで発生数が少なかったからといって、年間の発生数が少なくなるという統計はありません。過去には台風1号が6月や7月になっても、平年(25.1個)を上回る数が発生しています。ことしも台風の情報には注意してください。