山小屋に連日クマ出現 ミツバチの巣箱をあさる様子をカメラが捉えた 岐阜・中津川市

岐阜県中津川市の山小屋に連日クマが現れています。繁殖期のクマは、行動範囲が広がるということなんです。
6月9日の未明。防犯カメラが捉えたのは、真っ黒い体に光る眼、クマです。
クマは置いてあったミツバチの巣箱を横倒しにして、物色。巣箱に頭を突っ込みます。
20分間にわたって黙々とハチの巣箱をあさる様子が記録されていました。
場面は変わって、半日がたった同じ山小屋。
今度は一回り大きい、クマが現れ、壊された巣箱の横に腰を落ち着けます。
大量のハチにたかられても気にならない様子。
この大きめのクマは、翌朝にも現れ雨に打たれながら巣箱の前を陣取っていました。
山小屋があるのは、遊園地もある恵那峡から北に6キロほどの場所。
近くの集落までは300mほどの距離の場所です。
山小屋を囲う電気柵も…

クマが現れた山小屋を所有する、自然愛好家の三尾和廣さんは驚いたといいます。
「テーブルはヒノキの大木で60kgぐらいある、ここにあったテーブルをひっくり返してこんなことになっている、すごい力あるなと。びっくりというかこんなことするのかとちょっと言葉に表せない」(自然愛好家 三尾和廣さん)
山小屋を囲うように立てられていた、電気柵もなぎ倒されてしまいました。
山小屋のそばでカボチャやブルーベリーを育てている三尾さん。
ここ数年クマは見ていなかったといいますがクマはその後も10日、11日、13日と立て続けにやってきました。
「この辺は猟友会の人が昔は200人も300人もいたのが今は8人しかいない。クマにとっては天敵がいない。(クマが)怖くないので、人間の近くに来たり、このような建物に来たりというのはある」(三尾さん)
三尾さんは危険を感じ、警察と市役所に通報。捕獲機が設置されましたが…。
「捕獲機の中の餌を全部食べてしまっている。中に入らず餌を引っ張り出して食べている。ここに来たクマはものすごく利口だと思う」(三尾さん)
今の時期は餌を求め行動範囲が広がる時期

クマの被害は他の地域でも。京都府の舞鶴市では16日自転車に乗った小学5年生の男の子が体高40cmほどのクマに襲われました。
この時期のクマについて、岐阜大学 応用生物科学部 淺野玄准教授は。
「目撃情報としては6~8月は1年の中で一番多い。冬眠明けで夏に入ってくるこの時期は餌を求めて行動範囲が広がる時期」(岐阜大学 応用生物科学部 淺野玄准 教授)
さらに…。
「オスが発情したメスを見つけて交尾をしようとして、オスの行動圏も広がってくる時期になる。ハチの巣もそうだが野菜類、果実、屋外で放置してある生ごみについては餌と認識されやすいので注意した方がいいと思う」(淺野玄准 教授)