高速道路の危険な運転を「空陸一体」で監視　三重県警がヘリとパトカーで「スカイアイ取り締まり」

空と陸で一体となって悪質運転根絶へ。高速道路でのあおり運転などを防ごうと、三重県警が空と陸から違反車両に目を光らせています。その効果は？

　県警のヘリが上空から“ロックオン”したのは、1台の白い乗用車。

　追い越し車線を勢いよく走行していき、やがて前方にトラックが――。

　白い車はぐんぐん距離を縮め、背後に迫ったまましばらく走行。

　トラックが走行車線へと戻ると、白い車はそのまま追い越し車線を走っていきました。

　そして、そこに現われた1台のパトカー。

　実はこの一部始終、上空のヘリと地上のパトカーで映像と情報がリアルタイムで共有されています。

　三重県警によると、この行為は「あおり運転」には該当せず、追い越し車線にとどまったとして「通行帯違反」での検挙となりました。

空陸一体の「スカイアイ取り締まり」

　この一連を記録していたのは、違反者を追跡する三重県警の“空の目”です。

「三重県警のヘリコプターが離陸を始めました。そして、白バイとパトカーも同時に出動を始めました」（西尾菜々美アナウンサー）

　三重県警が不定期で実施している「空陸一体」の取り締まり、その名も「スカイアイ取り締まり」です。
　
　航空隊のヘリコプターが危険な運転をする車を監視。確認すると、連絡を受けた高速隊のパトカーが違反車両を即座に追跡。地上で取り締まります。

ヘリで「地上からわからない違反も発見」

「より広い範囲を確認できることで、地上からではわからない違反も発見することができる」（三重県警 高速道路交通警察隊 大門龍男 隊長）

Q.これまでにどんな違反があった？
「車間距離を著しく詰める車間距離不保持や、追い越しが終わった後も追い越し車線を継続して走行する行為が代表的」（大門隊長）

　空から監視するのは、主に安全な車間距離を保たない違反や、追い越し車線を走り続ける通行帯違反など。「あおり運転」とみなされることもある危険な行為です。

　あおり運転は被害者を恐怖に陥れるだけでなく、大きな事故に繋がることもあります。

多くの人が「あおり運転を受けた」と回答

　メ～テレの「ウルフィアプリ」のアンケートでも、回答した約1万1000人の半数近くが「あおり運転を受けたことがある」と回答するなど、悪質な運転をするドライバーが後を絶ちません。

Q.運転をしていて怖い思いをしたことはある？
「急な車線変更。前に入られるとか」
「『どけ！』みたいな感じで詰められたことがある」
(パーキングエリアの利用者)


Q.パトカーとヘリが同時に取り締まりをするが？　
「やってほしいと思う。車間距離を詰めてくる車は多いので」(パーキングエリアの利用者)
　
　24日の取り締まりは、伊勢道の芸濃ICから松阪ICまでの区間で実施されました。

　約1時間で2件の通行帯違反を検挙したということです。

「ドライバーにこういう取り締まりもあることを周知することにより、違反行為の抑止を狙っています。思いやりを持った運転を心がけていただきたい」（大門隊長）