
ほぼ右腕一本で強烈な打球…生まれつき左手の指がない高校球児 夢の甲子園へ「ハンディ背負っても関係ない」


2025年7月28日に行われた高校野球・岐阜県大会の決勝で、県立岐阜商業が帝京大可児に勝利し、甲子園への切符をつかみました。勝利の立役者の1人は、生まれつき左手の指がないハンディを抱えながらもレギュラーを務めた横山温大選手です。 試合は2回表、県岐商が連打で1アウト1・2塁とし、打席には7番ライト・横山温大選手です。横山選手は生まれつき左手の指がありませんが、強豪校・県岐商でレギュラーを張っています。 横山選手は家族が見守る中、ほぼ右手一本で引っ張った強烈な打球はライト前へ。ここから犠牲フライ、タイムリーなどでこの回一挙4点を先制します。 リードを広げて迎えた6回、横山選手の第4打席。マウンドには「親友」がいました。その親友とは、帝京大可児の3番手・川上洸晶投手です。 川上投手は、ドラゴンズでエースとして活躍した川上憲伸さんの甥っ子です。実は中学時代には、横山選手が投手、川上投手が捕手としてバッテリーを組んでいた間柄です。 ランナー1・3塁、カウント1−1からの3球目。親友から試合を決定づける9点目となるタイムリーを放った横山選手。3打数3安打1打点3盗塁と、ハンディをまったく感じさせない大活躍でした。 投打で圧倒した県岐商が10対0で勝利し、甲子園出場を決めました。 横山選手: 「自分みたいなハンディを背負っていても、関係なくできるんだぞっていうところを甲子園の舞台でもしっかりアピールして、ハンディを抱えた子たちにも勇気や希望を持って自分でも出来ると思ってもらえるようにプレーしていきたい。全国制覇目指して頑張ってやっていきたい」 横山選手の兄と姉も、試合を見届けていました。 姉・香穂さん: 「甲子園に行きたいと思って今まで頑張ってきたので、それが見られて良かった」 兄・昂大さん: 「こんなこと言うのあれですけど、自慢の弟だなと思います」 そして、両親は…。 父・直樹さん: 「周りの協力があってのことだと思うんですけど、本当に感謝しています」 母・尚美さん: 「最初は生まれたときもショックはあったけど、申し訳ない気持ちでいっぱいだったんですけど、温大が活躍して、みんなが喜んでくれるのがうれしい」 諦めなければ夢は叶う。次は甲子園の大舞台でその思いを爆発させます。