驚きの速さと躍動感あふれる「武術太極拳」 オリンピック種目入り目指し、アジア大会で知名度アップへ

アジア大会がステップアップのチャンス「武術太極拳」
いよいよ開幕まで9月19日であと1年。アスリートたちの熱戦が楽しみです。一方で、競技によっては今回のアジア競技大会をステップアップのチャンスと捉え、開幕を待ちわびている関係者もいます。
体操やバレーボール、そして柔道。1年後に開催されるアジア大会では、オリンピック種目をはじめ41の競技が行われます。中には、この大会を契機にオリンピック種目を狙おうという競技も。その1つが「武術太極拳」です。
太極拳といえば、ゆったりとした動作で行う健康法というイメージがありますが、「武術太極拳」は躍動感のある演舞。種目は演舞の技の正確さや難度を競う套路(とうろ)と、ボクシングのように1対1で対戦する散打(さんだ)です。
名古屋市内にも武術太極拳の道場があると聞き、訪ねてみると、ジャンプして空中で回転しながらキック。ダイナミックな技を繰り出していたのは、日本武術太極拳連盟の強化指定選手、田中駿志選手です。1年後のアジア大会出場を目指し、この道場で日々、稽古に励んでいます。
田中駿志選手:
「(武術太極拳の)世界大会が日本で行われることは少ない。(大会は)東京、大阪が多いので、名古屋ではめったにない。(愛知での開催が)決まったときには、これはもう(代表として)出るしかないと(思った)」
オリンピック種目見据え、競技人口7万人の「武術太極拳」の知名度をアップを
田中選手を指導するのは連盟の強化コーチの下起悦郎さんです。今回のアジア大会を見越して、10年前に名古屋市と岐阜県岐南町に道場を立ち上げました。
カンフー太極拳道場セントラル ウーシュー 下起悦郎代表:
「アジア競技大会が地元で開催されるというのが分かっていて、それを目標に過ごしてきた10年間だったので、あっという間なような、ついにこのときがきたというような感じ」
武術太極拳の国内の競技人口は約7万人。オリンピック種目に大きく差をつけられています。下起さんは国内で32年ぶりに開かれる今回のアジア大会を、武術太極拳の知名度アップと競技人口の増加を図る絶好の機会だと考え、意気込んでいるんです。その先に見据えているのはやはりオリンピックです。
カンフー太極拳道場セントラル ウーシュー 下起悦郎代表:
「2008年の北京オリンピックのときには、1度だけ特別種目として開催されたことがある。あのときは、ついに武術太極拳もオリンピック種目になれるのかという期待もありながら、なかなか叶ってこなかった夢なので、そろそろという気持ちはある。もっといろいろな人が武術太極拳を実際にやってみたいと思えるようなきっかけに今回のアジア大会がなれば」





