入店10分で中国人女性がバッグ購入 円安で外国人観光客に人気の中古ブランドバッグ販売店に密着
コロナ禍が明け、日本を訪れる外国人旅行客が急増中です。2024年8月の外国人旅行客の数は約290万人で、前年同月比36パーセント増加。7カ月連続で同じ月の過去最多を更新しています。
外国人旅行客の波は、名古屋大須にも。コメ兵の中古ブランドバッグの販売専門店「コメ兵名古屋本店バッグプラス」には、日本人客はもちろん、たくさんの外国人客の姿が。なぜコメ兵にバッグを買いに訪れるのか、その理由を定点観測しました。
フィリピンには中古品ショップが少ない?
まずカメラがとらえたのは2人組。店内をうろうろして、さまざまなバッグを見て回ります。お気に召す物は見つからないのかなと思った瞬間、1つのバッグに手を伸ばしました。そしてバッグが似合うかどうか、鏡で入念にチェック。値札を確認したらレジに向かいました。
初めて名古屋に来たというフィリピン人の女性。中古のブランドバッグはフィリピンでも手に入りそうですが、なぜ、あえて日本で?
――フィリピンには中古品ショップはない?
客:「あります。でも、日本みたいにたくさん店はないので、この種類のバッグは探せないと思います。このバッグが大好きで、とても満足しています」
お気に入りのバッグが見つかり「I’m very happy!」と笑顔で店を後にしました。
「中国にはプロの鑑定士がいない」
続いてやってきたのは、中国の河南省から来た2人の兄弟。たまたま店に立ち寄り、妻への贈り物として、女性用の斜めがけのバッグを探していました。中国にはプロの鑑定士がいないため、鑑定がしっかりしている日本の中古品には信頼があるそうです。
今回は、弟の卒業式のために来日したといいます。
弟:「仙台の東北大学の大学院生です。法律学を勉強しました」
――勉強はどうですか?
弟:「ちょっと難しいですね」
無事に卒業式を終え、東京・大阪・京都を観光したあと、最後に名古屋を訪れました。兄に日本で一番おいしかった食べ物を聞くと「松屋の牛丼が一番おいしかった」と笑みをこぼしました。
円安の影響で中国で買うよりも安い
最後に密着したのは、中国から来た1人の女性。入店して約10分でレジに並びました。
客:「色が大好き! この色。勤務時間のおしゃれに(使おうと)。今月の給料がちょっと足りなくなりますね」
円安の影響で中国で買うより安くなっていると、思わずちょっとしたぜいたくをしたそうです。日本語が上手なこの女性は、中国の電子製品の企業に勤めているそう。日本人駐在員との会話を通して、交流できるレベルまで上達したといいます。
買ったバッグで気持ちよく仕事を頑張って、また日本に来てくださいね!
コロナ禍が明けた今、日本は再び世界中から注目されています。名古屋大須もその一端を担い、外国人旅行客にとって魅力的なショッピングスポットとなっているのでしょう。