備蓄米が放出されても続く品薄感 コメ平均価格は16週連続の値上がり 日本酒を作る酒米も価格高騰の予想

備蓄米を放出しても、まだ続いているコメの値上がり。スーパーの店頭での価格は16週連続の値上がりで5キロあたり平均4220円。品薄感は解消されていません。
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きょう愛知県瀬戸市のスーパー「新鮮市場いせや」を取材すると、コメを販売するコーナーには三重県産のコシヒカリが並べられていました。
(新鮮市場いせや 福丸明男 代表)
「昨年度までは4種類くらいを取り扱っていたが、ことしは品種が絞られて、今この1種類しかない」
コメ不足のあおりを受けて今月はじめから店頭のコメは三重県産のコシヒカリのみに。きょうの値段は5キロで4731円。去年の倍ほどになったといいます。
(買い物客)
「食べないといけないから値段が上がっても買っているけど。前は5キロ2800円で買えた、今は4400円。めちゃ上がっている」
「2キロで2180円。前は1000円くらいで売っていた」
「おかしい(5キロ)4000円超え。備蓄米はどうなったの」
福丸代表にも備蓄米について伺いました。
(新鮮市場いせや 福丸明男 代表)
「備蓄米が2回放出されたけど、小さい米問屋には入ってこない。僕らの手元には届かない。値段は高値で止まっている状況」
スーパーでのコメ平均価格は16週連続の値上がり
数量制限がかけられ、このスーパーでは去年までは1か月に約2トン仕入れていましたが、今は半分の1トンになったといいます。あらためて販売価格については…。
(新鮮市場いせや 福丸明男 代表)
「徐々に値上がっていて…最高値」
農林水産省によりますと、今月14日から20日までに全国のスーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は、前の週より3円高い4220円。備蓄米が流通する中で、値上がり幅は縮小傾向になっているものの16週連続の高値更新です。
農水省は先週、備蓄米の3回目の入札を行いましたが、来月以降も夏まで毎月放出していく方針です。福丸代表は今後は輸入米も考えなければと話します。
(新鮮市場いせや 福丸明男 代表)
「アジア、台湾、アメリカの米も、そこそこ良いみたいなので。より日本の味に近い輸入米だったら取り扱ってみたい。種類が今、1種類しかないので、さすがに1種類だけでは…。おいしいコメと、安さだけのコメというので(輸入米を)取り扱いたい」
日本酒の原料となる「酒米」も入手困難に
一方、きょう三重県庁を訪れたのは県内の酒造メーカー3社の関係者達。皆さんは2016年の伊勢志摩サミットで「乾杯酒」に採用され、その名が全国区となった「作(ざく)」や、料理との相性抜群と評判の「八兵衛」などの日本酒ブランドを製造・販売しています。
今、日本酒造りに欠かせない「酒米」は、全国的に食用米の生産への転換をすすめる農家が増えていることなども影響し、入手が困難になってきていて今後は食用米と同様に価格高騰が予想されています。そこで、一見勝之知事に対策を求めたのです。
(三重県酒造組合 清水慎一郎 会長)
「酒造用原料米が手に入らないとなれば、酒を造ることができない」
一見知事は三重県産の日本酒は重要な観光資源だとして「生産者とも直接会話をして酒米の確保に努めてていきたい」と話しました。