クリスマスケーキに相性抜群 甘~い「プチぷよ」 イチゴの高値で斬新な組み合わせ

もうすぐやってくるクリスマス。クリスマスといえばイチゴのケーキが思い浮かびますが、意外なものがイチゴの代わりとなった、新感覚のケーキが誕生しました。
「夏の暑さが長引いて植え付けが遅れたので、例年より2~3週間ほど花が咲くのが遅い。ケーキ屋さんには申し訳ないが、ケーキに乗せるサイズのイチゴは納めるのが難しいと予想している」(「いちご園ニコニコファーム」新山英洋 代表)
今年の厳しい暑さの影響で、生育に遅れが出ているというイチゴ。
名古屋市中央卸売市場本場のここ1カ月の価格をみると、平年より高値の状況が続いています。
トマトの概念を覆す「プチぷよ」

クリスマスシーズンに向けて需要も増える中…。
愛知県長久手市のケーキ店「ヴァイスベーレン」で使われているのは、なんとミニトマト!
定番のイチゴに代わる、新たなケーキの形。
異色のコンビを引き合わせるために、試行錯誤が続きました。
「トマトを扱うのはすごく難しい。ショートケーキなどいろいろ試作して、トマトのうまみを活かしながらデザートとして提案できるなと」(ヴァイスベーレン代表 岩本みゆきさん)
気になるのはそのお味。ケーキとミニトマトの相性は…?
「一瞬頭が混乱しましたが、甘~いトマトなので、生クリームの甘さと非常に合います」(記者)
それもそのはず。このミニトマト、ただのミニトマトではありません。
「トマトの概念を覆しているのが『プチぷよ』なんです。フルーツ。本当にフルーツ」(岩本代表)
ケーキに使うのは「プチぷよ」という品種。
皮が薄く、フルーツのような甘さが特徴です。
糖度はイチゴ並みの10度

「プチぷよ」とは、いったいどんな品種なのでしょうか。
愛知県豊橋市の生産農家を訪ねました。
「果皮が軟らかくて、とても甘いトマト」(アグリコ 浜田昇さん)
糖度は10度と、まさにイチゴ並みの甘さ。
「プチぷよ」誕生のきっかけは、浜田さんの「優しさ」からでした。
「義母が『(皮が)口に残るのが嫌』という話を聞いて、こういう品種を作ってみたらどうかなと」(浜田さん)
通常のミニトマトと比べると皮が薄く、独特の凹凸があります。
触ってみると、サクランボのようなプニプニとした質感です。
そんな「プチぷよ」を栽培するハウスに姿を見せたのは、スーパーマーケット「ヤマナカ」の野菜担当バイヤー・野村翔吾さん。
長久手市のケーキ店に「プチぷよ」を使ったケーキの制作を提案した、“トマトケーキの生みの親”です。
今シーズンの出来に、目利きのプロも思わず…。
「おいしい!甘さが普通のミニトマトよりマイルド。でも濃厚で他にはない味だと思います」(野村さん)
イチゴに代わって、ケーキの上に乗ることになったミニトマト。
甘さに自信ありとはいえ、生産者にとっては想定外だったようで…。
「ちょっと感動しました。イチゴの代わりにはなるかなという思いはある。斬新なアイデアで、いいデザートを作ってもらえたらと思いますし、期待しています」(浜田さん)
「プチぷよ」を使ったショートケーキは、名古屋市東区の「フランテ ロゼ 白壁」で12月下旬から数量限定で販売される予定です。





