
原爆に焼かれる人々 炎に包まれる赤ん坊も…惨禍伝える75年前の絵を修復・公開へ 6月13日 埼玉の丸木美術館で

紅蓮の炎に焼かれる人々。その中には赤ん坊の姿も…。
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画家の丸木位里と妻の丸木俊が描いた「原爆の図」の連作の1作「第2部 火」が、愛知県立芸術大学文化財保存修復研究所でこの度修復されました。
(修復を担当した磯谷明子さん)
「こんなに感情を揺さぶられる作品はそうそうない。悲しみとか怒りとか…」
8枚の画面が合わされ、全体で高さ1.8メートル、幅7.2メートルの大きさの屏風になる「原爆の図 第2部 火」は、広島出身の水墨画家 丸木位里と、その妻で油彩画家の丸木俊による作品で、「原爆の図」15点の連作のうちのひとつです。
「作品を“繋げていく中の1人”になれたことをありがたく思います」
1945年8月6日。当時東京に住んでいた丸木夫妻は原爆投下を知って広島に入り、救援活動を手伝いました。そして5年後の1950年から30年以上かけ、原爆の惨状を描く全15作「原爆の図」を描き上げたのです。
今回修復されたのは1950年に描かれた2作目の「第2部 火」。屏風の歪みや汚れが目立ち、2年前から愛知県立芸術大学で修復作業が行われていました。
そして無事修復が終了し、きょう、絵を所蔵する埼玉県東松山市の丸木美術館に向けて送り出されました。あさって6月13日(金)午後に、到着次第開梱され再展示される予定で、来館者はその作業の様子も見ることができます。
(修復を担当した磯谷明子さん)
「大事にされてきたこの作品を“繋げていく中の1人”になれたことをありがたく思います」
丸木美術館によりますと「原爆の図 第2部 火」の展示は、2023年7月以来約1年11か月