一気に出された備蓄米 高い銘柄米は売れず そして間もなく新米が…「値段を聞いているが かなり高い」 終わりの見えない“令和米騒動”

8日、愛知県岡崎市にある渡辺米穀店に伺いました。店頭には、全国各地の銘柄米が並んでいます。
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(渡辺米穀店 渡邊正明さん)
Q.まもなく新米が入ってくる?
「きょう入ってくる」
Q.今の気持ちは?
「価格が高くて…心配」
この店では、九州で生産された早場米の入荷が始まりましたが、価格は去年よりも3割以上高いということです。新米が流通し始めると、前の年のコメは価格が落ちつくのが一般的ですが…
(渡邊さん)
Q.5キロでいくらくらい?
「うちは全然価格を変えられていない。うちだと4000~4500円、5000円以内くらい。量販店を見ても銘柄米は並んでいるが値段はそれほど下がっていない」
Q.売る側としてこの値段はどう?
「令和6年産は高過ぎる。仕入れ値が本当に高かったので、ことしも(コメ離れの)流れがあったとは思う。何年か(高値が)続くと消費はどんどん落ちていくのかな」
コメの価格が高止まりする中、注目されたのが政府放出の“備蓄米”です。きょうは5キロ1900円で並んでいました。
(渡邊さん)
Q.売れ行きは?
「値段も値段、(銘柄米の)半分以下なので。本当に困りますけど結構おいしい。時間がたってから、ぱらぱらし始めるのは早いと思う。炊きたてで食べたら分からない。それくらい良い状態」
全体で20トン仕入れたそうですが、来週にも売り切れる見込みだと言います。
いよいよ新米の季節 値段はどうなるのか…
この備蓄米をめぐっては、30万トンのうち約1割がキャンセルされたことが明らかになりました。物流や精米の関係で事業者に届くのが遅れたことから、政府が備蓄米の販売期限としている「今月末」までに売り切る見込みがたたず、キャンセルされたとみられます。
(渡邊さん)
「こんなに一気にボンと出されると物流もぐちゃぐちゃになり、高い銘柄米が売れず在庫を抱えることになり、『はぁ…』という感じ。去年、足りない分を少し出しておけば、パニックにまではならなかった気がする」
「(新米は)3500~4500円の間かな」
備蓄米の販売が終わり、来月中旬ごろからは全国の新米が流通し始める見込みです。これからコメの価格はどうなるのでしょう?
(渡邊さん)
Q.新米の値段が気になる
「値段を聞いているが、かなり高い」
Q.令和7年産の価格はどれくらいで落ちつく?
「本当は5キロ3000円台にはなってほしいが、3500~4500円の間かな」
Q.それほど変わらない?
「(今と)変わらないか、ちょっと下がるかもしれない」
そして、ここへきて国がコメ増産にかじを切ると言いましたが…
(渡邊さん)
「農家も高齢化しているし、作らなくなって荒れている田んぼもあるので、増産していくべきだとは思うが、すぐに増産できるかというとなかなか難しい。
Q.増産を続ける逆に余らないのか?
「(増産を続けると)元に戻ってコメが余って値段がどんどん下がってしまう。世界的に見ても日本のコメってすごく評価が高いので、輸出をもっと奨励して、国産のコメがことしみたいにヤバイよとなったら、輸出量を減らして国内を守っていく、(国内の)量を確保していくという方向にしてもらえるといい」
いずれにしても、終わりの見えない「令和の米騒動」です。