政府がコメ増産へ 振り回されるコメ農家「減反用に買った機械はどこで使えば?」「水不足で増産は難しい」 三重

三重・東員町の斉藤來洲(さいとうらいす)。およそ60ヘクタールの田畑で稲作などに取り組んでいます。従業員らは9人。いよいよ、収穫が迫ってきました。
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(斉藤來洲 齋藤啓太さん)
「来週 再来週ぐらいに収穫するものは、もう(穂が)硬くなってきて、もういつでも収穫できる。ことしは2~3日早いとは言われている」
収穫は、稲の生育期間中の1日の平均気温の合計が1000℃に達した時が目安です。ことしの場合、暑さの影響で例年よりも早く収穫時期となりました。
斎藤さんに政府がここへきてコメ増産の方針を打ち出したことについて、どう思うのか?伺うと…
(齋藤さん)
「難しいですね。無理とまでは言わないですけど難しい。2年連続干ばつで渇水が起きている状態なので、優に水が取れる形にしないと増産はできないかなと思う」
一番頭が痛いのは水の確保と言います。現在、水の使用量が少なくて済む大豆も栽培していますが、仮に今後大豆からコメに変えた場合、水不足はより深刻になることが予想されます。
減反政策の補助金はどうなる?
(齋藤さん)
「減反の作物に対しても投資をしている。減反辞めてくださいとなったら、それ専用に投資した機械はどこでどう使えばいいの?となる」
政府は減反政策で、麦や大豆などに転作した農家に対して補助金の給付をおこなってきました。齋藤さんも敷地の半分を使って麦と大豆を栽培。補助金も受け取ってきましたが…
(齋藤さん)
「たぶん補助金は減らされるんじゃないかな。もうどうしようもないですよね(大豆用の)機械も売れないですし、売ったところで買ってくれる人がいないので」
心配はつきません。いよいよ新米の季節がやってきますが…
(齋藤さん)
Q.今の店頭価格は下がる?
「なかなか難しいんじゃないですかね。ことしはこれだけ生産してください、こうしたら価格が安定しますよという統計を(国が)しっかり出してくれないと、『増産増産』というだけじゃなくて、先に動いてくれって思います」
コメは「ある」といったり「ない」といったり…この国の舵取りはいったいどうなっているのか!?振り回され続けるコメ農家のみなさんです。