「不安は残るが貴重なコメ」コメ農家苦慮 自衛隊機墜落事故で水質懸念も速報値は有害物質は基準値以内も

自衛隊の練習機が墜落した犬山市の入鹿池では水質への影響が懸念されています。防衛省は水質調査を進めていますが、果たして田植えには間に合うのでしょうか。
防衛省は5月27日、池を管理する入鹿池土地改良区の事務所で地元の関係者への説明会を実施。防衛省によりますと、説明会では主に事故の概要、今後の活動見込み、水質への影響、賠償の4点について話がありました。
このうち、水質への影響について、「機体に含まれる物質は、水質や人の健康に及ぼすレベルの量が漏れ出す恐れはないと考えられる」と説明しています。

ただ、まもなく田植えのシーズン。6月1日からは周辺の田んぼに入鹿池から水が供給される計画となっています。地元の農業関係者は安全確認のため、防衛相に詳細な水質調査を要望。すでに調査は始まっています。
防衛省地方協力局 森田治男次長:
「調査会社からデータが出てきたら、その後速やかに報告する」
記者:
「6月1日(配水開始予定日)を越える可能性もある?」
防衛省地方協力局 森田治男次長:
「そうでないことを追求したいんですけれど、分析の状況によって全て出そろうかどうか」
調査は間に合うのでしょうか。入鹿池の水を利用する農家に話を聞きました。
農家:
「とりあえず「異常はない」というので安心だけど。精密検査はまだ。不安は残る。いまは米は高い。貴重なコメ」
速報値は「有害物質の量などはすべて基準値以内」

水質調査について、池を管理する入鹿池土地改良区に対し、防衛省が水質調査の速報値を報告したことがわかりました。入鹿池土地改良区によりますと、速報値では採取した水に含まれる有害物質の量などはすべて基準値以内でした。
「農業用水として問題なく使える」として、配水は予定通り6月1日から行われることが
決まりました。ただ、確定値で基準を越えていた場合には「水を止めざるをえない」とも話しています。