
石破総理の辞任の真意とポスト石破の行方は 自民党内の思惑について専門家が解説

石破総理の突然の辞任表明の真意と今後、自民党総裁選のスケジュールなど党内の思惑について日本経済新聞のニュースエディター兼国際報道センター長の吉野直也さんに話を聞きました。

日本経済新聞 吉野直也さん:
「(総理は)関税交渉が一区切りついたと言っていましたが、直前まで続投を探っていました。総理本人から解散の可能性について聞かされた議員もいて。石破さんが総理総裁になった最大の理由は『世論の支持がある』ということでしたが、その世論の支持が実際の大きな2つの選挙で示されませんでした。
総裁選の出馬に必要な20人の確保も危ぶまれ、総裁選があったら負けてしまう。ここが辞任の最大の理由です」
争点は「野党とどう協調できるか」

また、“ポスト石破”については前回の総裁選の立候補者が中心になるとしています。
「少数与党で政策が決められないので、野党とどう協調できるかが総裁選そのものの争点になるのがこれまでになかったことです。永田町、霞が関では『維新との連携が一番現実的ではないか』といわれています。維新が掲げている政策、『副首都構想』『憲法改正』『社会保険料の引き下げ』いずれも自民党にとってハードルは高くありません。維新との政策協調は極めて現実的です」

その維新に一番近い人というのが、小泉農林水産大臣です。
「小泉さんは吉村さんとの関係も近い。これまでの政治の中でどういう関係を切り結んできたかが、自分が勝負に打って出るときに意味を持ちます」

前回の総裁選の初回投票で首位だった高市早苗議員についても見解を示します。
「政策の親和性が高市さんと参政党があるのではないかと指摘されています。総裁選に入ってから、参政党は『自分たちが高市さんとだったら協力できる』というような主旨のことを言うのであれば、そこも1つ、流れを変えるポイントとなりそうです」