世界的な“抹茶”ブームを追い風に…狙った先は富裕層が集まるアラブ首長国連邦 「伊勢茶」の輸出量は2年で10倍以上に 三重

この地方の特産品がいま、海外で大人気だそうです。三重県で生産する特産の「伊勢茶」の輸出量が、わずか数年で10倍以上となるなど絶好調です。そのワケとは?
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(店員)「お濃茶づくしのお抹茶セットです」
濃厚な抹茶のテリーヌの上にこれまた濃厚な抹茶ジェラートを乗せた「お抹茶セット」や…数量限定の「抹茶プリン」など、抹茶をふんだんに使ったスイーツが味わえるこちらのカフェ。
お店は伊勢神宮外宮のすぐ近くにあり、海外から訪れた観光客もおいしそうなスイーツの写真を撮るなどして楽しんでいました。
(タイからの観光客)「苦くないです。うまいです!」
この店こだわりの抹茶は、主に地元三重で収穫された「伊勢茶」を使ったものですが…実はこの「伊勢茶」、いま輸出が好調なんです。
三重県によりますと2022年の輸出量は約430キロでしたが、去年は何と約4600キロに!わずか2年で10倍以上に増えました。
「抹茶」がアラブ首長国連邦で人気?
(萩村製茶 萩村浩史 社長)「黒い覆いを新芽が出てきた時にかける。青色が鮮やかなお茶になる」
主な産地の一つとして知られる四日市市の水沢地区で「伊勢茶」を栽培しているこちらの会社。抹茶の輸出が好調なことから、ことしに入り茶葉から抹茶に加工する機械をこれまでの10台から倍の20台に増やしました。
(萩村製茶 萩村浩史 社長)「24時間体制で(抹茶を)ひいています。(抹茶が)世界的なブームになっていて。抹茶ラテとかドリンク系のものでたくさん使われている」
世界的に人気が高まっているという「抹茶」。主な輸出先はどこの国なのか、聞いてみました。
(萩村製茶 萩村浩史 社長)「三重県と連帯して、UAE=アラブ首長国連邦にも送っている」
多くの富裕層が暮らすドバイなどの都市で知られるアラブ首長国連邦。去年6月には、オーガニック抹茶を売りにする「THE MATCHA TOKYO(ザ マッチャ トーキョー)」の手がけるカフェがドバイに初出店するなど、徐々に抹茶人気が高まっているといいます。
“トランプショック”に「伊勢茶」は…?
アラブ首長国連邦での「抹茶」人気に目をつけた三重県は、数年前から県内の産地にインフルエンサーを呼び込み、実際に味わってもらうなどして「伊勢茶」を懸命にPR。その効果が徐々に出てきているようです。
萩村社長は今後も「伊勢茶」の輸出を強化していきたいと考えていますが、心配なことも…。
それは、アメリカのトランプ大統領による関税措置の影響で、日ごとに目まぐるしく状況が変化していく世界経済です。
(萩村製茶 萩村浩史 社長)「関税率が上がることは心配なところもありますが、抹茶ができる産地は限定されているので、大丈夫だと思っている」
この先、三重が誇る「伊勢茶」をいかに海外に広めていけるのか…「トランプショック」が水を差さないことが望まれます。