来年のアジア大会に“2つの課題” 開催経費は倍増の2000億円超に国の支援は?「無断登録」ボランティア問題の行方 愛知・名古屋

来年のアジア大会のメイン会場「名古屋市瑞穂公園陸上競技場」は、着々と建て替え工事が進み完成が近づいてきました。期待が高まる一方で、アジア競技大会には2つの大きな課題が…。
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ひとつは、「経費」の問題です。
もともとは「質素で合理的な大会」を掲げて誘致したアジア競技大会ですが、人件費や資材の高騰によって、開催経費は当初の倍、2000億円を超える見通しです。
愛知県の大村知事はこれまでに何度も、石破総理との面会などを通じて、国に財政支援を要請してきました。
そして、今月13日。政府はアジア競技大会への支援を盛り込んだ国の「骨太方針」を閣議決定しました。方針は政府の重要課題や年末の予算編成の方向性を示すもので、愛知県や名古屋市が求めていた財政支援について一歩前進した形です。
さらにもう一つ、ボランティアの登録をめぐる問題が発覚しました。
市民の個人情報を…市議「深くおわび」
(名古屋民主 上園晋介市議)「深くおわび申し上げます」
先月、名古屋市議会の副議長だった上園晋介市議が、過去に名刺交換をした市民26人分の個人情報を、無断でボランティアに登録していたことがわかりました。
上園市議は、議員や団体が代理でリストをまとめて提出できる「特例方式」を利用していて、本人確認書類の提出不要のまま、登録が進められていました。
上園市議の所属する会派「名古屋民主」などには、市議1人あたり30人を集める目標があり、上園市議は「焦りがあった」などと話しています。
また、振り返るとことし3月…。
(名古屋市議ら)
「アジア大会、来年やります」
「ボランティア募集しています」
「ぜひ参加してください」
名古屋市議たちはボランティア募集を広沢市長とともに必死に呼びかけていました。
アスリートのために課題解決へ
(名古屋市議ら)「ボランティア募集してます。来年からアジア大会が始まります。どうですか?受け取るだけはタダですから、どうぞ。そんなかたくなに断らないで…」
(花見客)「愛知県民じゃないんで…」
(名古屋市議ら)「全然大丈夫!どこでも大丈夫」
深刻なボランティア不足は当初からの課題です。
名古屋市は、市内で活動する一般のボランティアが1万人という目標に対し、4月末にようやく1万2000人あまり確保できました。
こうした中で「特例枠」で募るボランティアについて、発覚した上園市議の無断登録問題。名古屋市は「特例」で集まった2808人全員に、参加の意思を改めて確認しました。
その結果、先週金曜日の市議会で「上園氏以外に無断登録されたケースは、確認されなかった」という報告がありました。
開催まであと453日。アジアのトップアスリートたちが本番では気持ちよく競技に打ち込める大会にしたいものです。