
コモドオオトカゲ「タロウ」の経済効果は約30億円と専門家が試算 名古屋の東山動植物園での公開から1年

コモドオオトカゲのタロウが、名古屋市の東山動植物園で公開されてから1年が経過しました。体長は約2.7メートル、体重は50キロほどあります。世界最大級のトカゲ、コモドオオトカゲを見られるのは、国内で東山動植物園だけ。その姿をひと目見ようと、多くの人が訪れます。
そこで、タロウによる経済効果を調べました。
コモドオオトカゲの影響で入場者数が増加

東山動植物園の入場者数は、コモドオオトカゲの来園から増加。前の年と比べると、10カ月で約20万人増えました。担当飼育員の川島ひかりさんは、「タロウ」と名前を呼ぶと、近くに寄ってきてくれるようになったといいます。
担当飼育員 川島ひかりさん:
「1年間いろんなことを接しながら、エサやりなどを通して関わった中で、タロウもここの環境にすごく慣れてきてくれたんじゃないかなと思います」

来園した人たちも、「タロウを見れてよかった」と笑顔で話します。
三重県から見に来た小学生:
「めっちゃかっこよかった。ドラゴンみたい」
山梨県から来た子ども:
「大きかった!」
新潟県から来た男性:
「ここにしかいないということでぜひ見たいと思って来た。見れてよかったです」
タロウが食べるエサ代は年間約12万円

この日は、週に1回のエサやりの日。タロウが食べるエサ代は、年間約12万円です。一方で、そのエサ代などは、スポンサーからの寄付金で賄われていて、すでに7社から年間140万円が集まっています。エサ代だけでも、単純計算で年間100万円以上、儲かっています。ちなみにタロウのレンタル費用は0円です。

タロウがもたらした効果は、グッズショップにも。店内には、ぬいぐるみやTシャツなど、コモドオオトカゲのグッズが10種類ほど販売されていました。

ズーボゲート 小林政充さん:
「ゴリラのシャバーニ、レッサーパンダが人気があるんですが、コモドオオトカゲが出てきてから、人気が上回っている状況です。月に100万円ほど売り上げました」
コモドオオトカゲによる経済効果は約30億円

タロウの経済効果について、景気動向などを研究する「中部圏社会経済研究所」に話を聞きました。
中部圏社会経済研究所 長谷祐主任研究員:
「コモドオオトカゲの経済効果、名古屋市に限っていうと、18億円、19億円程度、全体でみると29億円と、約30億円といったところになると思います」
入場料収入や飲食費、土産物代などで約19.9億円の消費が増え、さらに周りの経済活動に波及して全体の経済効果は、約28.6億円と試算しました。

和歌山のアドベンチャーワールドに、2025年6月末までいたパンダは31年間で約1250億円の経済効果でした。年単位で計算すると、約40億円。経済効果では、パンダに軍配が上がりましたが、「なかなかの高い数字が出たのでは」と、長谷さんは話します。
ただ、課題もあるといいます。

中部圏社会経済研究所 長谷さん:
「(入場者数の)データだけ見ると、上振れ効果が若干収まりつつある、少なくとも1年目ほど、2年目3年目以降は発揮されないんだろうなと思います。
いかにリピーターを生み出していくのか。売りは何なのか。かっこいいとか大きいというところもある。そういったところをいかに集客につなげていくか。マーケティングが必要になってくると思います」
河村たかし前名古屋市長「サンキューベリーマッチ」

誘致に長年関わったのは、河村たかし前名古屋市長です。
河村たかし 前名古屋市長:
「シンガポールにおったやつだもんでね、“How are you タロウ”と英語で話しかけたほうがいいですよ。How are you & I love you タロウちゃん”と言うと、“Good”とか言いますわ(笑)」

コモドオオトカゲの経済効果が、約28.6億円だったことを伝えると、「サンキューベリーマッチ言っとかなかんな」とうれしそうに話す河村さん。
「タロウくんのおかげだな。まあ、そのくらいはあるだろうと思いますわね。ほんとに日本中にないやつだもんで。名古屋にしか、東山にしかにゃーでね。コモドドラゴンの聖地にしやぁ、ねぇ!」

コモドオオトカゲの経済効果は全体で約30億円。エサ代のほかにかかった経費、シンガポールでの職員の研修費約70万円や、シンガポールからの輸送費約410万円を差し引いても、大きな効果があったといえそうです。