食事中の緊急出動もあたりまえ!豊田の消防署に受け継がれる絶品消防メシ
舞台は豊田市。市民の命を守る消防隊員たちが勤務する「中消防署 逢妻分署」には、隊員たちが口をそろえて絶賛する“消防メシ”があります。手作りにこだわった絶品ユーリンチーに舌鼓を打つ一方で、出動要請が入れば食事の途中でも現場へ。そんな緊張感のある日常のなかで育まれる、隊員たちの絆とチームワークに迫ります。
一度食べたら虜に!隊員たち自慢の絶品ユーリンチー

衣はカリッカリで、中はジューシー。ニンニクも効いた一品
のどかな田園風景の中に建つ「中消防署 逢妻分署」。隊員たちに話を聞くと、誰もが「うちの署のご飯は最高」と口をそろえます。
中でも自慢の一品が、ソースまで手作りのユーリンチー。鶏肉は二度揚げすることで外はカリッと香ばしく、中はふっくらジューシーに。たっぷりのニンニクを効かせた特製ソースが食欲をそそり、思わずご飯が進む味わいです。

見た目とのギャップに驚き!大盛りを完食する三城歌織さん
逢妻分署には女性隊員も勤務しています。消防士3年目の三城歌織さんは、大盛りご飯を前にしても「大丈夫です!」と笑顔。その言葉通り、見事に完食していました。
食事が終われば後片付けの時間。洗い物の担当はジャンケンで決定します。上司も部下も関係なく、みんなで協力して役割を分担する。それが逢妻分署ではあたりまえの光景です。
豊田市最多の出動数!忙しい現場を支えるヘルシーめし

体力勝負の訓練にも全力で臨む三城さん
豊田市中心部を管轄する逢妻分署。隊員は23人と比較的小規模ながら、年間の出動件数は約4000件。市内でもトップクラスの忙しさを誇ります。
この日、三城さんは20キロ近い装備を背負いながら、消防署の周囲を何周も走り込む訓練に参加。男性隊員と同じメニューをこなすのも、消防の世界ではあたりまえです。

ヘルシーな三食丼にはマヨネーズをたっぷりかけるのが定番
そんな訓練の後は、この日の食事担当として厨房へ。鶏むね肉のミンチを酒やみりんで味付けし、ほうれん草を大鍋で茹で上げ、卵を豪快に炒めて完成したのは、ニンニクを使わないヘルシーな三色丼。栄養バランスを考えながらも、マヨネーズで満足感もしっかりプラスしています。

食事の時間も気が抜けない消防士の現場
ところが、食事の途中で出動要請が入ります。豊田市内でも屈指の出動件数を誇る逢妻分署では、食事中の緊急出動も珍しくありません。
隊員たちは箸を置くと、すぐさま現場へ。この日の要請は、意識を失った方の救助でした。現場で迅速に応急処置を行い、救急車での搬送中には無事に意識を取り戻したといいます。
消防士への道は、職場体験から始まった

強い想いをもって消防士になった三城さん
三城さんが消防士を目指したきっかけは、中学生の職場体験でした。災害や事故の現場で、最も苦しい状況にいる人のもとへ誰よりも早く駆けつける。そんな消防士の姿に憧れ、この道を選んだといいます。
もちろん、家族から心配されることもありました。それでも夢を諦めることなく努力を重ね、今では最前線で活躍する消防隊員の一人に。

途中で出動、戻ってそのまま食事を再開
出動から戻った後は、再び夕食の続き。いつ次の要請が来るかわからないため、温め直すことよりもまずは食べることが優先です。お腹を満たし、次の出動に備える。それも消防士の日常です。
朝の定番!30年以上続く伝統のパワフルめし

スパイシー焼きそばとご飯のダブルでいただくのが朝の定番
24時間勤務の消防隊員たち。朝6時半になると、逢妻分署で長年受け継がれてきた定番メニューが食卓に並びます。その名も「具なし焼きそば」。タカノツメと一味唐辛子で味付けしたスパイシーな焼きそばです。
そして、その横にはご飯。まさかの“焼きそば+白ご飯”という炭水化物コンビも、この分署では伝統のスタイルです。過酷な勤務を乗り切るためのパワフルめしとして、30年以上親しまれてきました。
三城さんが考案!新名物チーズタッカルビ

もしもの時に備えた点検も消防士の仕事
この日行われていたのは、水利点検。火災発生時に消火栓や防火水槽を確実に使えるよう、日頃から欠かさず確認を続けています。訓練も点検も、すべては一人でも多くの命を救うため。

惜しみなくチーズを使った贅沢チーズタッカルビ
そんな忙しい毎日のなかで、この日の夕食には三城さん考案の新メニューが登場しました。
たっぷりのニンニクで下味をつけた鶏もも肉を炒め、甘辛い味付けで仕上げたところへ大量のチーズを投入。完成したのは、逢妻分署の新定番候補「チーズタッカルビ」です。
初めて食べる隊員もいましたが、その反応は上々。皆美味しそうに頬張っていました。仲間と食卓を囲み、力を蓄え、また現場へ向かう。逢妻分署の消防メシには、人を救う仕事を支える温かな日常が詰まっていました。