JR東海 飯田線 秘境駅の先には何が…?急カーブ、急勾配など見どころを紹介(駒ヶ根~伊那松島)|線路の先には何がある?
毎月第1土曜日の午後にテレビ愛知で放送中の『日経プレミアム 工場へ行こうIII』の制作陣がお届けする、珠玉の電車企画第8弾! 今回はJR飯田線を走る回送列車の運転席に特別カメラを設置し、普段は見られない運転士目線の前面展望を撮影しました。長く続く線路の先には何があるのか? JR東海の武井秀樹さんの解説とともにお届けします。
JR飯田線を走る回送列車、単線の線路に合流するのは?(駒ヶ根駅~宮田駅)
駒ヶ根駅を発車するJR飯田線の回送列車。長野県内を北向きへと走っていきます。
単線の線区である飯田線。しばらく走っていると大田切駅の手前で右側から合流する線路が見えてきました。
この線路は保守用車を本線に出入りさせるためのもの。右側の手前に保守用車を収容する基地があるため、この場所で本線との出入りが行われます。
単線をさらに進んで行く回送列車。左に急カーブしたと思ったらすぐに右カーブ。そして橋を越えると今度はかなりの上り坂にさしかかります。
武井さんによるとこの場所は飯田線の中でも最も急な勾配の一つであるとのこと。上り坂を過ぎるとまた右へとカーブしていきます。飯田線はこのようなカーブやアップダウンが多い線区になっているそうです。
今度は下り坂を走って行く回送列車。前面展望から向こう側に広がる町がよく見えます。
こうした下り坂は運転士にとって注意すべき区間。下り勾配ではブレーキをかけなければ速度が上がり続けてしまうため、速度計をしっかりと確認しながら必要に応じてブレーキをかけるなど制限速度を超えないように注意して運転しているそうです。
線路の脇にある謎の数字が書かれた看板とは!?(宮田駅~赤木駅)
宮田駅を通過したところに、正面に75と書かれた看板が見えてきました。これは一体何なのでしょうか?
この看板は「カーブの制限速度が75km/h」であることを示す標識。下に書いてあるR=500は「半径500メートルのカーブ」であることを表しています。
踏切を渡った先には線路の脇にレールが置かれていました。この近くでレールを交換するためにこの場所に仮置きしているものとのことです。
続いて到着したのは片側にしかホームがない赤木駅。場内信号機や出発信号機が設置されていない「停留所」という種類の小さな駅です。
再び上り坂を登っていく回送列車。左側には「171」と書かれた白い棒があります。
この白い棒は「距離標」と呼ばれるもの。起点である豊橋駅から171kmの距離にあることを示しています。この距離標は100mごとに設置されており、小数点以下になる部分は1、2、3と小さな標識として設置されています。
暗闇の森の中へ突入する回送列車。急カーブにも駅がある!?(赤木駅~伊那松島駅)
ガタンゴトンと単線を走る回送列車。お墓の横を通り過ぎると、暗闇の森の中へと突入していきます。都会ではなかなか見られない飯田線ならではの光景です。
飯田線のような山間区間では、時に鹿や猪など野生生物が出没することも。その影響で列車が止まってしまったりとかそういったケースも実際にあるんだそうです。
森を抜け、右へ左へとカーブする線路を走る回送列車。すると今度は住宅が建ち並ぶ中へと進んでいきました。まるで線路が生活に溶け込んでいるかのような区間です。
こうした場所には「用地杭」が設置され、線路用地と住宅の境界線を示しています。
住宅密集地を走っていく回送列車。すると今度はカーブの途中に駅が設けられているのを発見します。
この駅は田畑駅。周辺の状況などを判断してこの場所での開業となったそうです。こうしたカーブの途中に駅があることは飯田線では珍しくないそうです。
田畑駅から先へと進んでいくと、左手に黄色い乗り物が見えてきました。
この車両はミニホッパー車という線路の下に敷かれる砕石を運ぶための保守用車。ここも保守用車の基地になっているんですね。
そして列車は伊那松島駅へと到着。回送列車としてはここまでの運行となります。
この後列車は右側へと進んで、伊那松島運輸区へ。次の発車まで待機することになります。
線路の先には何がある?
魅力に満ち溢れた線路の旅へご案内!テレビ愛知のレギュラー番組『工場へ行こうIII』の制作陣がお贈りする珠玉の電車企画。Locipo、GYAO!、Youtubeにて配信中です。
次回は『JR東海・飯田線』。めったに見られない貴重な運転席映像、ご期待ください!
【放送局】テレビ愛知
【番組HP】https://tv-aichi.co.jp/senro/
【配信】Locipo YouTube
※記事の内容は放送当時のものです。