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新幹線の弱点「大雨」克服へ カギは東海道新幹線が走る「盛り土」 大雨の影響をデータで分析

06.06(金)19:24
愛知県小牧市にあるJR東海の実験施設の中にあったのは、高さ6メートルの土で固められた盛り土です。上に登ってみると、線路がありました。すると、大雨のように水が。この実験施設では、1時間に200ミリの雨を降らせることも可能です。JR東海は今、「雨にも負けない新幹線」を目指すため、さまざまな研究をしていました。
2024年8月30日、台風10号が日本列島を襲いました。この大雨の影響で、JR東海は東海道新幹線の名古屋~三島間の運転を終日取り止めました。なぜ「東海道新幹線」は大雨に弱いと言われているのでしょうか。

1964年に開業した東海道新幹線は、当時の技術で盛り土の上に作られました。今も全体区間の44パーセントが盛り土の上を走っています。
盛り土は、大雨が降ると土が緩んで崩れる可能性があるため、雨量や土にしみ込んだ水の量によって運転見合わせの判断をする必要があります。JR東海はこれまで、のり面をコンクリートで覆ったり、土の中の雨水を抜き出すパイプを設置したりして、弱点の盛り土対策をしてきました。

さらに今、取り組んでいるのが雨が降った時のデータ収集です。
記者:
「周りの音が聞こえないくらい強い雨です」
土の質によって、水の染み込み方も違うことから、JR東海はデータを収集、分析することで、必要に応じた設備の強化をしていく方針です。
JR東海 技術開発部 森川昌司部長:
「どういった対策をすれば水を抜けるのか、また水を遮水できるのかを研究開発していきたい」