アルゼンチンに日本の「SAKE」を売り込め 愛知県の酒蔵「中埜酒造」が日本食ブームに乗り現地で商談

地球の裏側・アルゼンチンで商談の機会を得た愛知の酒蔵・中埜酒造。果たして商談は、うまくいったのでしょうか。

日本から最も遠い国アルゼンチン。そこにやってきたのは、愛知・岐阜・三重・静岡の醸造企業10社です。アルゼンチンでの販路拡大を支援しようと、JICA中部がツアーを企画。日本酒や醤油、お酢などを現地の人に振る舞いました。
愛知県の酒蔵、中埜酒造も参加企業の1つ。売り込みの甲斐あって、商談の申し込みがありました。
アルゼンチンで日本食を楽しむイベント開催

この日行われたのは、日本料理を楽しむイベント。寿司にたい焼き、たこ焼きなど、さまざまな日本の食が紹介されました。円安の影響で日本を訪れる外国人の数が増える中、アルゼンチンの人にとっても日本の食は身近な存在になっています。

アルゼンチン日系食レストラン協会
ロレーナ バニーナ会長:
「日本への関心は少しずつ高まっています。日本料理、お酒、あらゆるものが大流行しているわ」
アルゼンチンの日本食ブームに乗ることはできるのでしょうか。
見慣れない“白い日本酒”に興味津々

中埜酒造の齋藤貴之さんがやってきたのは、日本の食材を扱うスーパーマーケットです。日本食レストランも経営しています。愛知土産の定番、「えびせんべい」を渡して、商談開始。商談には、國盛のにごり酒と、紅茶風味の梅酒、そしてもものリキュールの3種類のお酒を用意しました。

まず手に取ったのは、にごり酒。見慣れない“白い日本酒”に興味がわいたようです。アルゼンチンでは甘いお酒が好まれるという話を聞いて、齋藤さんは「見た目で目を引ける」と独自性をアピール。

中埜酒造 輸出課 齋藤 貴之課長:
「飲み方としてはいろいろできると思います。ユズを入れてみるとか」
商談相手:
「300ミリリットルに対して、何ミリリットル入れるんですか?」
中埜酒造 輸出課 齋藤 貴之課長:
「3:1くらいです」
齋藤さんの説明に熱心に聞き入る商談相手。さらにはカタログをみて、ほかのお酒にも関心を寄せていました。

商談相手:
「まずはテスト販売しましょうか。50~60ケースお願いできますか」
なんとかアルゼンチン進出の足掛かりをつかむことができました。まずはテスト販売からですが、今回持ち込んだ3種類を含めて9種類の商品を店に置いてもらえることになりました。

中埜酒造 輸出課 齋藤 貴之課長:
「まさかこんなに(多くのお酒を)という感じです。テスト販売していただけるということなので、ただ商品を送るだけでなく、ポップや説明できる資料なども販促として何か手伝えることをプラスしながら、長くお付き合いできるように努力したいです」

続いてやってきたのは料理学校。アルゼンチンの食のプロを相手に、日本の醸造文化を紹介しました。参加者の中には、しょうゆをサンドイッチにかける独自のアレンジをする男性も。試食後には手でハートマークをつくり「合格」の笑みをこぼしました。

東海4県の醸造メーカーが参加した今回のツアー。それぞれがアルゼンチンへの販路拡大の手ごたえをつかみ、10日間の日程を終えました。

JICA中部 上町 透所長:
「今まで公的なお金と技術で途上国の開発課題に対応することをやっていたが、それだと開発課題はとても大きく、公的なお金も無限にあるわけではないという中で、民間との連携が非常に大事になっています。日本企業の優れた技術・サービスが途上国のさまざまな開発課題の解決に役立つため、ビジネスの展開と重ね合わせることで相乗効果が生まれる。そうした狙いを持って始めた取り組みです」





