
“悪性リンパ腫”乗り越え完走…がんサバイバーの女性ランナー 養子に迎えた6歳の愛娘へマラソンで伝えたい想い


2025年3月9日に行われた『名古屋ウィメンズマラソン』では、血液のがんと呼ばれる「悪性リンパ腫」を乗り越えた43歳の女性が参加しました。マラソンを通して6歳の愛娘に伝えたかったのは、「楽しければ乗り越えられる」という想いです。
■ステージ4から部分寛解へ…闘病生活で感じた“想い”を愛娘へ伝えるために
愛知県豊田市に住む牧野かおりさん(43)は現在、在宅でウェブ制作の仕事をしています。しかし、22歳の時に、ステージ4の「悪性リンパ腫」と診断されました。血液のガンです。

牧野さん: 「まず、自分がそんな病気になるとかって想像していなかったというのが、正直なところですね」 その後、がん細胞が減少し、「部分寛解」にまで回復しました。今回の名古屋ウィメンズマラソンに出場しました。 牧野さんにとって生きる支えとなっているのが、6歳の愛娘・えまちゃんです。

牧野さん: 「だんだん私が走ったりしていることにも興味が湧いてきて、『えまちゃんも練習する!』って言って走っていました」 えまちゃんは、とても活発で天真爛漫な女の子です。ただ、この2人に血のつながりはありません。2019年、里親として生まれたばかりのえまちゃんを受け入れました。

牧野さん: 「きっとこの先、彼女自身が自分はもしかしたら周りとちょっと違うのかもしれないと考えたりとか悩んだりとか、そういった時がくるかもしれないなって思っているんですね」 「悩みがあっても、楽しければ乗り越えられる」という、自身の闘病生活があったからこそ感じる想いです。えまちゃんにも、今回のマラソン挑戦を通じて伝えたいと意気込みます。
■沿道にはガンサバイバー仲間が…走りながら感じた「今の一歩一歩は娘と夫のおかげ」
ウィメンズマラソン当日の午前9時10分、牧野さんは笑顔でスタートしました。

“人生楽しむことを諦めない”という意味で、Tシャツの前後には「キャンサーサバイバー・ネバーギブアップ」の文字を掲げました。 沿道やランナーの中には、たくさんのガンサバイバー仲間の姿がありました。

沿道からの応援: 「頑張れ~!牧野さん!」 Q.名前を呼ばれての応援がありましたね 牧野さん: 「ありがたいです!」 8キロ過ぎには、えまちゃんが待っていました。

牧野さん: 「『止まってないで走れー!』って言われました。スパルタな娘です。ありがたいです。ありがとー!」 叱咤激励をエネルギーに変えて、前へと進んでいきます。

牧野さん: 「長いなっていう気持ちと、あぁ終わっちゃうのかという気持ちと…。でもたぶんもうちょっとしたら、早く終われって思うと思います」 そして、笑顔でフィニッシュしました。

牧野さん: 「私の一歩一歩があるのは娘と夫のおかげだなっていうのをすごく感じた42.195キロでした」
■えまちゃん「お母さんとは走りたい」母の42kmが伝えたこと
レースが終わった牧野さんを待っていたのは、えまちゃんです。牧野さんの姿が見えると、走って駆けつけてきてくれました。

牧野さん: 「えまちゃんもいっぱい応援頑張ったじゃん、長~い時間」 えまちゃん: 「お母さんが1番頑張ったけどね~」 牧野さん: 「人生はね、生きていくうちでね、『どれだけでも自分次第で楽しくなるよ』っていうことを伝えたかったんだ。伝わったかな〜?いつかさ、今日お母さんが楽しそうに走っていたなってこと、もしもえまがつらい時とか思い出してくれる?」 えまちゃん: 「うん」 想いは届いていました。

牧野さん: 「お母さんと一緒に走る人~?」 えまちゃん: 「お母さんとは走りたい」 牧野さん: 「いつか一緒に走ろうね!応援頑張ったね、ありがとね」